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【徹底解説】実は一番の悩みどころ!?クラウドファンディング「リターン設計」のポイント

実は一番の悩みどころ!?クラウドファンディング「リターン設計」のポイントを徹底解説

クラウドファンディングに挑戦する際、多くの支援を集めるために必要不可欠な「リターン設計」。
重要であるが故に頭を悩ませる人は多く、問い合わせや相談も多く寄せられています。

そこで今回は、クラウドファンディングを始める際に参考にしたい、リターン設計の基礎知識やポイントを解説するとともに注力カテゴリの成功事例を紹介していきます。
リターン設計に悩んでいる方、これからクラウドファンディングの挑戦を考えている方は、本稿を読んで支援の集まるプロジェクトを目指しましょう。

そもそも「クラウドファンディングとは?」と気になっている方はこちらの記事から参考にしてみてください。
https://bamp.media/knowledge/1003.html

クラウドファンディングに必要不可欠な「リターン」とは

クラウドファンディングにはいくつかの種類があります。そのうちの一つである「購入型」のクラウドファンディングには、支援者へ金額に応じた“お返し”が必要です。この“お返し”のことを“リターン”と呼びます。

多くの支援者・支援金を集めたい場合、十分な時間をかけてリターンの「内容」「金額設定」について考えることをオススメしています。

リターンの内容はモノや商品だけでなく、サービスや体験など幅広い選択肢があります。

例えば、お店をオープンするために支援を集めたい場合、お店で売る予定の商品やお店のロゴが入ったオリジナルグッズなどが考えられます。これはモノや商品のリターン内容です。一方、サービスや体験というのはお店で使える割引チケットや一日貸し切りチケット、店内の壁や看板に支援者の名前を入れられる権利などがあります。

「リターン設計」5つのポイント

「何でもいいからただリターンを設定すればいい」ということではなく、プロジェクトに適切なリターン設計をすることが目標達成の鍵。本章では、リターンの内容や金額設定の参考になるようなポイントを5つ解説していきます。

1. 「どんな人がこのリターンに支援してくれそうか」を考える

「こんな人はこういうリターンを支援してくれるはず」という視点でも構いません。支援者が支援したくなるリターンがどのような内容なのか、支援者が支援できるリターンはどれくらいの金額なのかを考えることが大切です。

また、支援者になってくれそうな人にリターンのフィードバックをもらうのも一つの手です。「内容が適切か」「金額的に支援できるか」など意見やアドバイスをもらいましょう。

2. “1万円台”のリターンに一番魅力的なリターンを設定する

CAMPFIREユーザーの平均支援額は約1万円です。この価格帯にメインとなる魅力的なリターンを盛り込むことを推奨しています。

ただし、プロジェクトのカテゴリによって設定はさまざまですので、みなさんのプロジェクトに合った内容と金額でリターンを設定しましょう。

3. リターンは“複数”用意する

リターンの数は10~20種類ほどあると、さまざまな支援者のパターンに対応が可能です。一番支援しやすい安価な金額のリターンから、目標金額を達成するために必要な高額な金額のリターンまで幅を持たせてみましょう。その際は、前述した1・2を意識してみてください。

ちなみに、CAMPFIREで200万円以上の資金を集めたプロジェクトのリターンの数は、平均で約12個でした。

4. リターンの限定数を設定する

リターン毎に限定数(在庫数)を設定できます。この設定を活用することで、数量限定の特別価格や早期割引、特典がつけられます。

有効活用すれば、早期支援者に今すぐ支援してもらうことを促したり、支援者に対して「これは希少価値が高い商品なんだ」という心理効果も期待できます。

5. リターンは詳細に記載する

支援者の視点で購入するための必要な情報を記載しましょう。プロダクトや立体作品・グッズなどモノ・商品のリターンを設定する場合、サイズや大きさなどの詳細を記載しましょう。Tシャツなどのサイズが複数あるリターンの場合、リターンの設定時にオプション機能を使うことでサイズなどの選択肢を最大5つまで設定が可能です。また、リターンのイメージ画像を設定するとよりイメージがつきやすくなります。

そして、リターンは送料・消費税込みの金額を設定しましょう。万が一、設定が漏れていた場合、送料・消費税分は自己負担になります。

ほかにも募集終了からリターン到着までの日程は、リターンの用意・発送等の工数を考慮し余裕ある日程を記入してください。リターンが支援者に届くまで、プロジェクトは終わりではありません。支援者を待たせない意識を心がけてください。

「ガジェット」「飲食」「まちづくり」3つのリターン設計 成功事例

続いて「リターン設計」のポイントを抑えた、「ガジェット」「飲食」「まちづくり」3つのジャンルのリターン成功事例について紹介していきます。

事例1:ガジェット

『NuraLoop日本初上陸|聴覚測定で“自分専用の音”を生み出す未来のイヤホン』

世界初のオーダーメイドサウンドイヤホン『Nuraphone』のプロジェクト。目標金額を100万円に設定していましたが、支援総額はなんと4,800万円超え。目標金額に対し4,800%を超える支援金額が集まりました。

【ポイント】
数量限定アーリーバード(早期購入)特典の活用、「超早割価格(50%OFF)」「早割価格(40%OFF)」「特別価格(35%OFF)」「CAMPFIRE価格(25%OFF)」など早いタイミングで支援した人ほど得をするといった複数のリターンを用意しています。

プロジェクトの詳細はこちらから >

<リターン設計で参考にしたい記事>
支援者1000名超!しっぽのついたクッション型セラピーロボット『Petit Qoobo』プロジェクト成功の秘訣

そばに置いておきたくなる可愛さ! コンパクトサイズで機能性バツグンな“卓上ペットロボット”支援プロジェクト

事例2:飲食

『今こそ、串カツで笑顔に!!一緒にコロナを乗り越えましょう!!』

コロナ禍での国民の不安を払拭させるべく、立ち上がった串カツ店『串カツ田中』のプロジェクト。目標金額を1,000万円に設定し、3,800万円を超える支援総額が集まりました。

【ポイント】
店舗で利用できる「お得なお食事券」「飲み放題チケット」、『串カツ田中』の「串職人Tシャツ(割引付き)」といった“ベーシック”なリターンから、串カツを自宅で調理してくれる「出張串カツパーティ」や『串カツ田中』の社長・副社長が接待してくれる「スペシャルディナーの貸し切り」といった“ユニーク”なリターンまで幅広いリターンを用意しています。

プロジェクトの詳細はこちらから >

<リターン設計で参考にしたい記事>
「支援を新たなきっかけ作りに」旅する喫茶が実店舗プロジェクトで得た支援だけにとどまらない新たな繋がり。

クラウドファンディングで飛騨牛“困窮”のピンチをチャンスに! ―1万人の支援と1億1,000万円を集めたプロジェクトの全貌に迫る―

事例3:まちづくり

『渋谷のカルチャーをつなぎたい!みんなでつくる #YouMakeSHIBUYA』

外出自粛の影響で経済的に大きなダメージを受けた渋谷を救うため、渋谷のエンタメ・ファッション・飲食・理美容を支援するプロジェクト。目標金額を4,289万円に設定し、4,470万円の支援総額を集めました。

【ポイント】
エンタメには「ライブ配信視聴」「フェス配信視聴」のチケット、ファッションにはオリジナルの「キャップ」「Tシャツ」のアイテムなど渋谷のカルチャーにゆかりのあるリターン。また、渋谷区公認オンライン上(仮想空間)の渋谷民の権利を獲得できる「バーチャル渋谷民コース」や渋谷駅ハチ公前広場と渋谷駅東口地下広場に社名を掲出する「法人向けプラン」などチャレンジングなリターンを設定しています。

プロジェクトの詳細はこちらから >

<リターン設計で参考にしたい記事>
4つのプロジェクトで目標金額を達成した『つくば市事業者応援チケット委員会』が語る成功への道のり

「初めて目標が形になった」北海道江別市を世界一おいしいとうもろこしの産地にプロジェクト、成功の秘訣に迫る

リターン設計のポイントを掴もう

クラウドファンディングに挑戦する際は、今回解説した5つのポイントをまずは掴んでみてください。

その上で、紹介した3つの具体的なリターン事例だけでなく、クラウドファンディングサービスで目標金額を超えているプロジェクトのリターンも合わせて参考にリターン設計を考えましょう。

阿部 裕華

取材好きなフリーライター/編集者。WEBメディア中心に編集・企画・進行管理(たまに撮影・デザイン)もやります。アニメ・コンテンツビジネス・映画・音楽(主にBUMP)が大好きです。

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