「ガバメントクラウドファンディングって何?」
「自分でも使えるの?」
昨今よく耳にするようになった「ガバメントクラウドファンディング」。
みなさんはどんなものかご存知ですか?
実は「ふるさと納税」ととても関係性が深く、身近なものになりつつあるんです。
今回はそんなガバメントクラウドファンディングの仕組みや、使い方などをわかりやすく解説します。
ガバメントクラウドファンディングとは?
まず、ガバメントクラウドファンディングとは、どんなものなのでしょうか?
ガバメントクラウドファンディング(Government Crowd Funding、GCF)は、ふるさと納税のシステムを利用したクラウドファンディングの仕組みの名称で、「地方自治体」がプロジェクトの実行者として立ち上げるクラウドファンディングです。
自治体が特定の目的のために出資を募るクラウドファンディングで、災害支援や子育・教育支援等に役立てられています。
仕組みとして「ふるさと納税」が利用されているため、寄附金の全額に寄附金控除が適用されます。そのため、クラウドファンディングでありながら、ふるさと納税と同じように税金控除を期待して、利用することもできる仕組みなんです。
そんなガバメントクラウドファンディングは、総務省でも推奨されており、注目を集めています。
2017年に、当時の総務大臣は「このように、出資金の用途が明確であることによって、寄附者にとっても寄附のし甲斐があり、自治体と寄附者の継続的な繋がりを維持することにも寄与する可能性がある」と、その有用性を表明しています。
ここからは、そんなガバメントクラウドファンディングについて、より詳しく解説していきます。
ガバメントクラウドファンディングとふるさと納税の違い
では、「ガバメントクラウドファンディング」と「ふるさと納税」では何が違うのでしょうか?
大きなポイントは「寄附・支援先の選び方」です。
といっても、選択肢が変わるわけではありません。
寄附先を選ぶ際、何に重きを置くかが異なると言った方が正しいでしょう。
通常のふるさと納税では、多くの方が「返礼品の種類・内容」に重点を置いて、寄附先を選びます。
もちろん自分の好きな自治体や、寄附金の使い道でも選ぶことができますが、それらを優先して利用する方は少数派です。
一方で、ガバメントクラウドファンディングは、あくまでクラウドファンディングのため、何か企画・プロジェクトに対する支援が前提になります。
なので、より具体的な「寄附金の使い道」を重視して寄附先を選ぶ仕組みになっています。
ふるさと納税では「返礼品の種類」、ガバメントクラウドファンディングでは「支援金の使い道」が重要視されること。
この「寄附・支援先の選び方」の、比重の置かれているポイントの違いが、ガバメントクラウドファンディングとふるさと納税の大きな違いです。
ただもちろん、ガバメントクラウドファンディングも税金の控除を受けたり、お礼の品ももらうことができる点など、大きな仕組みはふるさと納税と変わりません。
初めてのガバメントクラウドファンディングだからと言って、身構える必要はありませんよ。
ガバメントクラウドファンディングはいつから注目・活用されている?
そんなガバメントクラウドファンディングですが、いつから注目・活用されているのでしょうか?
ガバメントクラウドファンディング自体は2013年ごろから、ふるさと納税サービスの界隈で注目され始めました。
そして、2013年9月にふるさと納税サービス「ふるさとチョイス」でよく知られている『株式会社トラストバンク』で提供が開始されたことを皮切りに、その仕組みを取り入れる会社が増えました。
参考:Wikipedia
そんなガバメントクラウドファンディングが特に注目されたのは、実は最近です。
先述しましたが、2017年当時に総務大臣にして、政治家の野田聖子氏が、
「出資金の用途が明確であることによって、寄附者にとっても寄附のし甲斐があり、自治体と寄附者の継続的な繋がりを維持することにも寄与する可能性がある」
と表明したことから、当初トラストバンク内の制度の名称であった「ガバメントクラウドファンディング」が、現在のように広く公的にも使われる言葉になりました。
そして現在では、「ふるさとチョイス」や「さとふる」など、大手のふるさと納税サービスで取り入れられています。
ガバメントクラウドファンディングの活用事例
ここまで、ガバメントクラウドファンディングについて、ふるさと納税との違いや、歴史などを解説してきましたが、正直良くわかりませんよね?
そこで、実際のガバメントクラウドファンディングの活用事例をみていきましょう。
CAMPFIREふるさと納税
ガバメントクラウドファンディング=「ふるさと納税型クラウドファンディング」として、国内最大手クラウドファンディングサービス『CAMPFIRE』の「CAMPFIREふるさと納税」を知っていますか?
今回はこちらの中の、ガバメントクラウドファンディング=「クラウドファンディング型ふるさと納税」の実際の事例を紹介します。
日本最北限「火打山のライチョウ」を、絶滅から救いたい!
新潟県妙高市が立ち上げた、ガバメントクラウドファンディングです。
氷河期から生き残っている、国の天然記念物で絶滅危惧種の「ニホンライチョウ」。
妙高戸隠連山国立公園の火打山山頂周辺に生息しています。
『そんなライチョウを絶滅から救いたい』
そんな想いから、調査費用から今後継続的に保護を行っていく費用までを賄うため、ガバメントクラウドファンディングという形で、プロジェクトを開始しました。
目標金額1,400,000円に対して、結果は1,423,000円と無事達成!
支援人数も204人と多くの方に、支援されています。
新潟県妙高市 | 日本最北限、最小の個体群「火打山のライチョウ」を救いたい!
プロジェクトについて詳しくみる >>
力強く大きく咲き誇っていた一本桜の、元気な姿を取り戻したい!
本州最東端、岩手県宮古市の亀ヶ森牧野にある一本桜は、品種はオオヤマザクラで樹齢100~200年。元々盛大な樹勢を誇っていましたが、年々開花割合が減少し、平成31年の春にはごくわずか(例年の1割程度)しか花を咲かせませんでした。
『以前のように咲いてほしい!元気な姿を取り戻したい!』
そんな想いから、一本桜の樹勢回復費用を用意するために、ガバメントクラウドファンディングという形で、プロジェクトを開始しました。
目標金額,950,000円に対して、結果は963,000円と無事達成!
支援人数も64人の方に、支援されています。
岩手県宮古市 | 力強く大きく咲き誇っていた一本桜の、元気な姿を取り戻したい!
プロジェクトについて詳しくみる >>
ガバメントクラウドファンディングのよくある疑問・質問
最後に、ガバメントクラウドファンディングのよくある疑問・質問をまとめておきます。
その1:ガバメントクラウドファンディングは個人でも利用できる?
ガバメントクラウドファンディングの立ち上げは、基本的に自治体のみです。
個人でクラウドファンディングを立ち上げる場合は、ガバメントクラウドファンディングではありません。
その2:普通のクラウドファンディングと何が違う?
通常のクラウドファンディングとは、異なる部分が3つあります。
・企画者が自治体か否か
・リターンがなくても利用可能か
・税金の控除が受けられるかどうか
ガバメントクラウドファンディングは、企画者が自治体に限定されており、リターンがなくても寄附を受け付けることが可能です。
またふるさと納税同様、税金の控除も受けられます。
その3:税金控除を受けるためには何が必要?
ガバメントクラウドファンディングは、ふるさと納税と同じ仕組みのため、原則として寄付の証明書を受け取り、寄付後の確定申告は必要です。
ただし、ふるさと納税先の自治体が、1年間で5自治体までであれば、確定申告が不要なワンストップ特例制度を活用して、確定申告しなくても済む方法もあります。
詳しくはこちらのページからご確認ください。
https://camp-fire.jp/furusato/about
その4:目標額を達成しなかった場合、寄附金はどうなる?
各サービスによりますが、集まった分だけ自治体に寄附されています。
ガバメントクラウドファンディングとは、言ってしまえば寄付型クラウドファンディングのため、目標金額を未達成であった場合でも、原則寄付金の返金はありません。
また、逆に目標額を上回った分の取扱いについては、自治体毎に異なります。
詳しくはプロジェクト立案自治体にお問い合わせください。
『ガバメントクラウドファンディングとは?』まとめ
今回は、最近耳にすることが増えた「ガバメントクラウドファンディング」について解説しました。
「ふるさと納税」ととても仕組みが似ており、関係性が深いですが、寄附先の選び方の面で大きな違いがあります。
ふるさと納税では「返礼品の種類」、ガバメントクラウドファンディングでは「支援金の使い道」が重要視されることが、ガバメントクラウドファンディングとふるさと納税の大きな違いです。
また、具体的な事例も複数掲載しました。これからさらにこういった事例も増えてくるので、まだまだ目が離せません。
BAMPではふるさと納税型クラウドファンディングの成功のポイントをまとめた記事もあるので、ぜひチェックしてみてくださいね!
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自治体の担当者様は、プロジェクトの立案者として、また個人の利用者の方は、あなたにとって大事な町の有力な支援者として、ぜひ活用してみてください。