最近よく耳にする「ファンドレイジング」ですが、
『なんとなく聞いたことあるけどよくわからない』
『なにかソーシャルグッドなものなんでしょ?』
『資金調達関連のことらしいけど、自分たち企業も使えるのかな?』
など、その実態はまだまだ認知されていません。
そこで今回は、ファンドレイジングとは?から、その具体的なやり方や活用できるサイトなどを解説していきます。
あまり金融関係の知識がない…。
そんな方にもわかるように解説していくので、ぜひ最後までお付き合いください。
今さら聞けない、ファンドレイジングとは?
まず、ファンドレイジングとはそもそもどんな意味なのでしょうか?
語源としてはFund(資金・基金)とRaising(立ち上げる・調達)という単語を繋げた造語で、直訳すると「基金を立ち上げる」と言う意味です。
そのため「資金調達」と広く捉えられがちですが、正確にはすこし異なります。
ファンドレイジングとは、単に資金を集めるだけではなく、社会課題を解決・改善するなど、「社会をよりよくしていくための資金集め」のことを言います。
そのため具体的には「非営利活動(NPO)の活動資金を集めること」として使われることがほとんどです。
NPOもいくら非営利といえど、活動するためには資金が必要ですよね。
「事業費」や「事務経費」「オフィス費」「人件費」など、活動自体は普通の企業同様に費用がかかります。
その費用を工面するために、会員からの「会費や寄付」はもちろん、「助成金」「補助金」「借入金」などの団体外からの資金調達、また「事業の収入」など、全ての財源獲得の総称を「ファンドレイジング」ともいいます。
つまりファンドレイジングは、広い意味では「社会をよりよくしていくための資金集め」、狭い意味では「NPOの資金調達」と認識すれば間違いありません。
また少し余談ですが、ファンドレイジングのファンを「応援者」あるいは「フレンド」と捉える考え方もあるようです。
考え方によっては、「資金」だけでなく「支援者=ヒト・仲間」を募ることも入るようですね。
ファンドレイザーとは?
ちなみに、「ファンドレイザー」というファンドレイジングを専門として行う職業もあります。
日本ファンドレイジング協会で認定ファンドレイザーという資格制度も設けられており、「広報スキル」「プレゼンテーション力」「判断力」など、ファンドレイジングを成功させるための能力を持つファンドレイザーを、「認定ファンドレイザー」として認めています。
具体的には、そもそも試験を受験するためには「3年以上の実務経験」が必要で、日本ファンドレイジング協会が提供する研修や試験をクリアして初めて資格を得ることができます。その前段階で、誰でも受けられる准認定ファンドレイザーの資格もあるので、気になる人はそこから勉強してみてください。
もちろんファンドレイジングは資格がないとできない、というわけではありません。
しかし未経験者が初めて取り組むという際には、この資格勉強をすることで必要な知識をつける、あるいはプロのファンドレイザーに協力を仰ぐのも一つの手です。
ファンドレイジングの主な種類4つ
そんなファンドレイジングですが、具体的にはどんな種類があるのでしょうか?
ファンドレイジングの主な種類として、以下の4つがあります。
・会費
・事業収入
・助成金、補助金
・寄付
会費
まずは、NPOの活動や理念に賛同する個人あるいは団体からの会費です。
会費はNPOに所属する人が財源になる、最もオーソドックスなファンドレイジングの一つです。
会費を使ったファンドレイジングのメリットとして、
・安定した資金調達になる
・使用用途の自由が高い
・会費が多い=信用度が高い
などがあります。
一方でデメリットとして、
・会員集めやその継続に労力がかかる
・会員の管理や活動報告などの手間もかかる
などがあります。
会費はNPOの運営に必須と言えるほど重要ですが、その分活動報告や会員集めの労力などがかかるので、簡単ではないことを知っておきましょう。
事業収入
次に事業収入です。
NPOは非営利団体ですが、活動で収入がでることも少なくありません。
例えば活動に合わせた物品の販売やサービスの提供による収入です。
それらももちろんNPOの活動資金として、貴重な資金になり、ファンドレイジングの一つです。
・ここの割合が多いほど、活動の独立性が高まる
・物品やサービスを通して認知度が上がり、支援者も増やせる
・今後さらなる質の良い活動を実現できる
などのメリットがありますが、一方でデメリットとして、
・先行投資が必要で、経済的リスクがある
・非営利で目的としている活動と乖離するリスクもある
・そもそも収入を作ることは難しい
などがあります。
事業収入はあくまでNPOの本質ではないので、どこまで比重を置くのかも塩梅が難しいです。事業収入に依存することはお勧めしませんが、会費・助成金・補助金・寄付だけに依存するとどうしても活動に独立性が担保できないので注意しましょう。
助成金、補助金
次に、助成金、補助金です。
NPOのように、営利目的ではなくしっかりと社会をよりよくしようという志を持った事業や研究に対しては、その活動を応援する国や地方自治体、民間の基金や財団等の補助金・助成金があります。
これらを活用するのもファンドレイジングの一つです。
補助金や助成金の活用には、
・助成申請を通して、自分たちの活動を具体的に詰めることができる
・第三者に理念や活動意義などを伝え、フィードバックをもらう貴重な機会にもなる
・新規の活動を始める際の大きな資金源になる
などのメリットがあります。
一方で、
・依存してしまうと、活動に限界が来る
・活動内容や資金の使用方法に制約があるため、自由度は低い
・申請できる回数や年数にも制限がある
などのデメリットもあります。
補助金や助成金は、資金が必要なタイミングでピンポイントで使うのがお勧めです。
効果的に使えるように、しっかり使用用途などを計画してから活用しましょう。
寄付
そしてやはりNPOなどの活動で欠かせないのが寄付・募金ではないでしょうか?
街頭での募金活動などを目にしたことはありませんか?
ファンドレイジングとして、一番イメージしやすいものでもありますよね。
そんな寄付にも、現在はさまざまな種類があります。
・マンスリーサポーター(毎月継続して寄付してくれる)
・未投函葉書などの物品寄付
・クレジットカードなどのポイント寄付
・相続による寄付
・WEBサイトやアフィリエイトを使った寄付
などです。
なかでもクラウドファンディングを使った寄付が最近注目されています。
以上のようにファンドレイジングの手法・種類には大きく4種類がありました。
この後はより詳しくやり方までみていきましょう。
ファンドレイジングの具体的な始め方とは?
ファンドレイジングはいくつかの種類があることは、ここまででわかりましたね。
ここからはそんなファンドレイジングの具体的な始め方を解説していきます。
改めてですが、ファンドレイジングは、社会問題の解決や理想的な社会の実現をめざした活動のための資金調達です。
そのため主にNPOが行う資金調達を指します。
手法は以下の4つがありました。
・会費
・事業収入
・助成金、補助金
・寄付
どの手法を使うにしろ共通で重要なポイントは、ビジョンや活動内容に共感を持ってもらい、行動してもらうことです。
そのためには、以下の2つが重要です。
・情報を発信する
・参加しやすい環境を整備する
まず、SNSやブログ、Webサイトなどで団体の活動状況などを発信しましょう。
また必要であれば広告やイベントなどを取り入れるのもいいでしょう。
とにかく情報を発信し、知ってもらう機会を増やすことが重要です。
共感を得られ賛同者が増えるように、知ってもらえる機会を増やしましょう。
さらにいざ会員になりたい、支援したいとなった際に、気軽に行ってもらえるようオンライン決済や電子マネーを取り入れましょう。
他にもTポイントなどのポイントで寄付ができる「ネット募金」や、携帯の利用料金と一緒に寄付ができるサービスなど、さまざまな寄付方法が整備されているので、自分の団体に合うものを取り入れましょう。
支援する動機付けために『情報を発信』し、その気持ちをしっかり支援に繋げるよう『参加しやすい環境を整備』することがファンドレイジングの最初の一歩になります。
「でも一からSNSやるのは難しい」
「オンライン決済とかを取り入れるのは時間もかかる」
そんな時に、この2つのポイントを兼ね揃えて支援を募れるのが、上記でも少し触れた『クラウドファンディング』です。
また、以下のページでより詳しいNPOの資金調達方法をまとめているので、気になる方はこちら。
ファンドレイジングに使えるクラウドファンディング
ファンドレイジングとは、NPO等の非営利組織が資金調達をすることでした。
対して、クラウドファンディングは「インターネットを介して不特定多数の人々から少額ずつ資金を調達すること」または「そのサービス」を指しています。
ちなみに語源は、「群衆(クラウド)」と「資金調達(ファンディング)」を組み合わせた造語です。
最近クラウドファンディングは、ビジョンや活動内容に共感してくれた人から支援金として寄付を受け取る形で、ファンドレイジングの一つとして活用されています。
資金調達の手法の一つ「クラウドファンディング」をNPOが活用すれば、ファンドレイジングとして利用できるということです。
クラウドファンディングの使い方
まず、クラウドファンディングをする上で、しっかりと仕組みや種類を理解して、始めましょう。
特にファンドレイジングでクラウドファンディングを行う場合、「寄付型クラウドファンディング」で「All-in方式」で行うのがおすすめです。
寄付型の場合、ビジョンや活動に共感し、リターンが欲しいというよりも応援したいという方が中心に支援を行います。
またAll-in方式にすることで、少しでも資金が集まった場合は全て支援金として確保することができます。
ただ上記の例はあくまで一般的な寄付の場合です。
各団体で最適な方法を選びましょう。
こちらでクラウドファンディングの始め方は詳しく解説しています、
ファンドレイジングとして利用できるサイトまとめ
ファンドレイジングの一つとしても使えるのがクラウドファンディングでした。
そんなクラウドファンディングの中でも特にNPOの資金調達におすすめなサイトを紹介します。
『READYFOR (レディーフォー)』
READYFOR (レディーフォー)は、CAMPFIRE(キャンプファイヤー)同様トップレベルのクラウドファンディングサービスです。
社会活動にも強く、「国際協力」や「医療・福祉」「文化支援」などのプロジェクト成功事例を多数残しています。
また上記で触れた「寄付型」のクラウドファンディングも利用可能なので、ファンドレイジングにも使うことができます。
ソーシャルグッド領域特化の『GoodMorning(グッドモーニング)』
『GoodMorning(グッドモーニング)』』は、社会問題と向き合う方のための、クラウドファンディングサイトです。また、CAMPFIREグループのサービスのひとつで、“社会問題と向き合う人のクラウドファンディング”、言わば「ソーシャルグッド」領域に特化したサービスを提供しています。
忘れてはいけない2011年の3.11大震災の復興活動や、LGBT問題、食糧廃棄問題など、ジャンル問わず様々な社会問題に立ち向かう個人・団体が利用しています。
特にユーザーも社会問題に特化しているため、利益目的の利用者も少なく、活動の有用性がしっかりアピールできれば、NPOなどの非営利団体でも十分ファンドレイジングとして活用できるサイトになっています。
また一回の資金調達だけでなく、『GoodMorning』でのクラウドファンディングを通して仲間を集めたり、マンスリーサポーターを見つけることもできます。
手数料も業界最安水準となっており、活動資金を少しでも多く調達したい非営利組織にとって利用しやすくなっています。
ファンドレイジングとは?活用法やクラウドファンディングとの違い!まとめ
今回は、ファンドレイジングについて解説してきました。
ファンドレイジングとは、NPOなどの「社会問題を解決し、より良い社会を実現する」ための活動資金を調達することでした。
そのために様々な手法がありますが、今注目されているのがクラウドファンディングです。
特にリスクもなく、手軽で簡単に今日からでも利用できるので、まずは気になるクラウドファンディングサービスを覗いてみてはいかがでしょうか?