基礎知識

【初めてでも分かるNPO法人設立の流れ】メリットや条件など設立のポイントを解説!

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「NPO法人を設立したい」
「でも条件や設立方法がいまいちわからない」

本記事は、社会課題に取り組んでいるがこんな疑問をお持ちの方向けに、NPO法人の設立条件や設立までの流れ、その方法を徹底解説します。
またNPO法人設立時や、設立後も利用できるおすすめサービスも合わせて紹介します!

ぜひ最後までご覧ください。

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NPO法人とは?まずはNPOとNPO法人の違いを知ろう

まずは、前提となる情報を整理しておきましょう。
ここでは、NPOとは?から、NPOとNPO法人の違い、また認定NPO法人について、解説していきます。

この部分が明確でないと、この後の解説もわかりづらくなってしまうので、まずはここを抑えておきましょう。

 

いまさら聞けないNPOとは?

そもそもNPOとはなんなのでしょうか?
NPOは「Non Profit Organization」の略称で、直訳で「非営利組織」です。
では「非営利」の団体、組織であれば全てNPOなのか?というと、そうではありません。

NPOは、「民間人」が主体となり、医療や福祉、社会教育など様々な分野で、「営利目的ではなく」、人々の生活や社会課題の解決などに向けた活動「社会貢献活動」を行っている団体・組織の総称です。

参照:NPOホームページ|内閣府

ポイントは3つ。
・主体が民間人なこと
・営利目的ではないこと
・社会貢献活動を行っていること

これを満たすことがNPOの大前提になります。
特に社会貢献活動、別名特定非営利活動は、具体的に20種類の分野が指定されています。

具体的には以下です。

特定非営利活動
1:保健、医療又は福祉の増進を図る活動
2:社会教育の推進を図る活動
3:まちづくりの推進を図る活動
4:観光の振興を図る活動
5:農山漁村又は中山間地域の振興を図る活動
6:学術、文化、芸術又はスポーツの振興を図る活動
7:環境の保全を図る活動
8:災害救援活動
9:地域安全活動
10:人権の擁護又は平和の推進を図る活動
11:国際協力の活動
12:男女共同参画社会の形成の促進を図る活動
13:子どもの健全育成を図る活動
14:情報化社会の発展を図る活動
15:科学技術の振興を図る活動
16:経済活動の活性化を図る活動
17:職業能力の開発又は雇用機会の拡充を支援する活動
18:消費者の保護を図る活動
19:前各号に掲げる活動を行う団体の運営又は活動に関する連絡、助言又は援助の活動
20:前各号に掲げる活動に準ずる活動として都道府県又は指定都市の条例で定める活動

参考:特定非営利活動法人(NPO法人)制度の概要 | NPOホームページ

NPOの具体例としては、
・ボランティア活動や社会貢献活動の団体
・生活協同組合
・労働組合
・業界団体
・学校法人
・町内会
などがあります。

ちなみに、政府や自治体なども非営利組織ですが、主体が「民間人」ではないためNPOには該当しません。

 

NPO「法人」とは?|NPOとNPO法人の違い

次はNPO法人について見ていきましょう。

NPO「法人」とは?

NPO法人は、文字通り法人格をもったNPOのことを言います。

もちろん一般的な会社と異なり、非営利目的の組織なので、利益を目的とせずに社会貢献につながる事業などを行う法人です。

もともと1998年まで、NPOは法人化することができませんでした。
そのため法人格のないNPOには活動の限界がありました。
しかしNPOは営利を生み出していなくとも、社会的な貢献度・価値は大きいことから、国としてもNPOの活動を推進したいということもあり、1998年に条件を満たすNPOは法人格を取得できるようになりました。
これが「特定非営利活動(NPO法人)制度」です。

さらに2012年には、NPO法人の財政基盤強化を主な目的として法改正が行われ、2020年(令和2年)12月にも改正NPO法が発表されるなど、よりNPO活動が推進されるように法制度が改善され続けています。

NPOとNPO法人の違いとは?

では、NPOとNPO法人の違いはなんなのでしょうか?
もちろん法人格を持っているかどうかの違いになります。

では法人格があるのとないのでは、何がかわるのでしょうか?
具体的には以下のポイントが変わります。

・税金関連
・法的な手続き関連
・社会的な信頼

NPOの時は課税対象だった部分も非課税になったり、契約書が団体として結べるようになったり、社会的に信頼されることで活動の幅が広がるなどがあります。

詳しくは後述する『NPO法人を設立すべき5つの理由』で解説します。

 

認定NPO法人とは?

また、NPO法人には、認定NPO法人という制度もあります。

認定NPO法人とは、「一定の基準を満たしている」と所轄庁(都道府県・政令市)が認めたNPO法人のことです。

通常のNPO法人よりもさらに寄付に関する税制が優遇される制度です。

具体的には、
・認定NPO法人に「個人」が寄付をした場合、「寄付金控除」を受けられる
・認定NPO法人に「法人」が寄付をした場合、損金に算入できる金額が増える
・認定NPO法人に「相続財産」を寄付した場合、寄付をした相続財産は非課税に
・法人税法上の収益事業を行った場合、「みなし寄付金制度」による減税措置

などの効果を得ることができます。

NPO法人を設立すべき5つの理由

ここまでで、NPOについて、法人との違いなども解説しました。
では、そもそもNPOはNPO法人を設立するべきなのでしょうか?

NPO「法人」にしなくても、非営利活動は可能です。
でも法人化することで様々なメリット・価値があるんです。

 

税制面での優遇がある

まず、法人格を取得すると、団体員や賛同者からの寄付金が非課税になります。
NPOではせっかく寄付をもらっても税金を差し引いた金額しか活動に使えないのですが、法人になれば全ての金額をしっかり活動に利用することができます。

さらに認定NPO法人になれば、寄付へのハードルがさらに下がります。
寄付者が寄付した金額分の税金控除ができるなど、寄付されやすくなります。

他にも、法人住民税などが免除されるケースも。
さらに経済的にも余裕を持って、また規模を大きくして社会貢献活動を行うことができるようになります。

 

法的に活動の継続性が高くなる

また、様々な契約が個人ではなく、法人名でできるようになります。
例えば銀行口座の開設や、不動産関係の契約です。
法人格を持たないNPOでは、どうしても代表者個人名の契約になるので、団体の人員が変わるとその度に契約をしなおしたり、代理利用しかできず、本当の活動が制限されたり、活動以外の部分での手間がかかっていました。

組織、団体として続けていく上では、個人名義に依存している状態はリスクでしかありません。ここを団体名で契約できれば、組織の人員に変化があっても問題なく継続できるようになります。

さらに法人格を取得すれば、職員を雇用することも簡単になります。
そうすることで活動を継続できる可能性も高くできます。

あらゆる面から、継続できなくなるリスクを改善することができるんです。

 

社会的信頼性

さらに、社会的信用力が変わります。
やはりいかに活動内容が素晴らしくても、組織の運用内部は外からは見えづらく、信用を得ることは難しいです。
しかしNPO法人となれば、そもそも会社法などの法律をしっかり守っている証明にもなり、組織として信頼を得やすくなります。

この社会的な信頼度が上がることで、寄付金や会員数を今まで以上に増やすことができたり、活動の幅を広げることに繋がります。

 

公共事業などに参加するチャンスが広がる

上記で解説した通り、社会的信頼が向上することで、公共事業などに参加するチャンスが広がります。

2021年現在、国や地方自治体では、
・高齢者の福祉
・子育て支援
・環境保全施策
・動物愛護
などの社会貢献事業に関して、NPO法人に協力を仰いだり、委託しているケースが増えています。

公共の福祉にも該当する範囲なので、基本的には国や自治体が取り組むべき内容なのですが、財政面の関係上自治体が行うことが難しい場合が多いからです。
ただこの業務委託などはなかなか営利企業にはできません。

そこでもしあなたのNPOがNPO法人になっていれば、チャンスです。
国の事業に挑戦するチャンスが来るかもしれません。

 

設立費用がかなり少ない

そして最後に、NPO法人を設立する場合、ほぼ費用はかかりません。

株式会社などの営利企業とは異なり、設立時の資本金は0円で設立できます。
また登録免許税(株式会社では15万円、合同会社では6万円)などの設立時に必須となる費用もかからず、所轄庁への認証申請手数料も無料です。

逆に必要な費用としては、

・法人の印鑑を作る費用
・役員となる人の住民票を請求する費用
・手続きにかかわる交通費及び通信費
・設立手続きを専門家などに依頼する場合はその費用

以上があります。

ただ一般的な会社設立に比べては、かなり少額で設立することができます。

ここまで解説したNPO法人を設立すべき理由をまとめると、以下になります。

NPO法人を設立すべき理由
NPO法人を設立すべき理由1:税制面での優遇がある
NPO法人を設立すべき理由2:法的に活動の継続性が高くなる
NPO法人を設立すべき理由3:社会的信頼性
NPO法人を設立すべき理由4:公共事業などに参加するチャンスが広がる
NPO法人を設立すべき理由5:設立費用がかなり少ない

NPO法人を設立するための条件とは?

ここまでで、NPO法人を立てるメリットが大きく、自分も法人化したいと考えている方も多いのではないでしょうか?
そこで次に気になるのは、設立条件ですよね。

NPO法人の主な設立条件は10項目あります。

NPO法人を設立するための条件
①活動目的は特定非営利活動であること
②営利を主な目的としないこと
③特定の個人又は法人その他の団体の利益を目的として、事業を行わないこと
④主たる目的として政治活動や宗教活動をしないこと
⑤特定の公職者(候補者も含む)または政党を支持・推薦・反対をしないこと
⑥特定の政党のために利用しないこと
⑦特定非営利活動に係わる事業に『支障が生じるほど』その他の事業(収益事業も含む)を行わないこと
⑧10人以上の社員(会員のこと)を有するものであること
⑨会計は、会計の原則に従って行うこと
⑩社員(正会員などで総会で議決権を持つ者)の資格の得喪に関して、不当な条件をつけないこと

この条件を満たしていれば、特に費用がかからずに法人化できるので、まずは自分の団体が条件を満たしているか見てみましょう。

NPO法人設立の流れ|3つのステップ

ここからはNPO法人設立の具体的な方法、流れを紹介していきます。
NPO法人設立までは、以下の3つのステップです。

・所轄庁への申請
・縦覧・審査を経て認証
・登記手続き

所轄庁への申請

まず、NPO法人を設立するためには、「所轄庁への申請」が必要です。
法律に定められた書類を全て添付した申請書を、所轄庁に提出します。

縦覧・審査を経て認証

その後、「縦覧・審査を経て認証」を受けます。
縦覧とは自由に見てもらうことです。
受理した日から約1ヶ月程度、市民の方に自由に見てもらい、点検してもらいます。
加えて、所轄庁が申請された内容が認証基準に適合するのかどうか審査されます。
こちらは2ヶ月以内と決められています。
また、その確認は書面審査によって行うことが原則とされています。
上記を通れば、認証を得ることができます。

登記手続き

設立の認証がもらえたら、申請者が登記します。
これが完了すると、NPO法人の設立は完了です。

書類作成から設立登記完了まで、だいたい4カ月程度はかかるものと心しておきましょう。

 

NPO法人設立に必要な書類一覧

最後に必要書類をまとめておきます。

​​

提出書類 部数
1:設立認証申請書 1
2:定款 2
3:役員名簿及び役員のうち報酬を受ける者の名簿 2
4:各役員の就任承諾書及び宣誓書の写し 1
5:役員の住所及び居所を証する書面 1
6:役員うち10名以上の者の名簿 1
7:確認書 1
8:設立趣意書 2
9:設立認証申請書についての意思決定を証する議事録の写し 1
10:設立当初の事業年度及び翌事業年度の事業計画書 2
11:設立当初の事業年度及び翌事業年度の活動予算書 2

NPO法人を設立したい方必見!条件や設立までの流れ、方法を徹底解説!まとめ

今回はNPO法人とは?という基本的な部分から、法人化する意味・価値や、NPOが法人になるための設立条件、具体的な設立方法まで、網羅的に解説しました。

今回の内容の中で、NPO法人を設立したいと思った方も多いのではないでしょうか?
しかし法人設立はゴールではなく、スタートです。
その後いかにNPO法人を運用していくかが重要になります。

そこで合わせて活用して欲しいのが『クラウドファンディング』です。
NPO法人は、非営利目的の組織だからこそ、資金繰りに苦しむケースも起こります。

クラウドファンディングでは、活動資金や寄付者集めなど行うことができます。

おすすめなのは、国内最大手のCAMPFIRE(キャンプファイヤー)が運営しているGoodMornigm(グッドモーニング)です。

GoogMorning公式サイト

また、クラウドファンディング関連はもちろん、NPOの資金調達「ファンドレイジング」についても別の記事で解説しています。
これから運用する上で資金繰りに不安を感じる方は、ぜひこちらも合わせてご覧ください。

NPOの資金調達ってどんな方法があるの?NPOの資金調達の種類を解説!

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