クラウドファンディングを始める方は、考えなければいけないことがたくさんあります。
特に利用者の多い購入型を例にとっても、
・プロジェクト内容
・目標額
・リターンの内容
・どうやってアクセスを集めるか
など幅広いです。
その中でも特に盲点になりがちなのがプロジェクト成功後の「リターン発送」です。
クラウドファンディングはプロジェクトが成功したからと言って全てが終わりというわけではありません。支援者にしっかりリターン提供し、初めてプロジェクト完了です。
そこで今回は、プロジェクト成功後のリターン発送について、起案者が押さえておきたい情報をわかりやすくまとめました。
せっかく成功したにもかかわらず、リターンの発送などで失敗してしまわないように、ここでしっかり押さえておきましょう。
なお今回は、「クラウドファンディング=リターン発送の必要な購入型」と定義して解説していきます。
クラウドファンディングのリターン発送|どんなリスクがある?
まず、冒頭で見た通りリターン発送はプロジェクト成功後の話なので、後回しにしてしまう人が多いです。
しかしこのリターン発送を忘れてしまったり、誠実に対応しないと大きな問題になるケースも。
実際の発送方法に入る前に、その重要度を少しだけ解説しておきましょう。
なお、「早く発送方法を教えて欲しい!」という方は、目次の
『クラウドファンディング成功!リターン発送までの流れとは』
をクリックしてください。
リターン発送の具体的な失敗例
では、具体的にリターンの発送にはどんな失敗があるのでしょうか?
それは、以下のパターンが考えられます。
①予定通りにリターンが発送できない
②リターンの遅延に対して起案者の対応が不誠実だった
例えば、「想定以上に支援者数が多かった」「スケジュールの見積もりが甘かった」「リターンの制作の準備ができていなかった」などの理由でリターンが遅れてしまいます。
それだけでも支援者としてはあまり嬉しいものではありませんよね。
それに加えて、「リターンの遅延に対して起案者の対応が不誠実」な場合、支援者の不信感は募ります。
そして結果的に、プロジェクトが成功したにもかかわらず、支援者の不信感が募り、資金調達はうまくいっても、プロジェクト・事業レベルでは失敗に繋がってしまうんです。
この様に、支援金は多く集まっても、リターン発送の準備を怠れば、上記の様な問題が起こってしまいます。
最悪の場合、SNSなどで炎上したりの可能性も。
こうなれば、クラウドファンディングは完了しても事業自体は失敗してしまう可能性大です。
こんなことにならないよう、初めからしっかりリターン発送まで考えて、クラウドファンディングを利用しましょう!
クラウドファンディング成功!リターン発送までの流れとは
では、リターン発送の重要性を感じたところで、プロジェクト終了後のリターン発送までの流れを見ていきます。
①成功報告やお礼と合わせてリターン発送予定を連絡
②リターンを制作・準備する
③発送準備も合わせて行う
④リターン発送開始を支援者に報告
⑤全ての支援者へリターン発送を完了
成功報告やお礼と合わせてリターン発送予定を連絡
まずは支援者にプロジェクト成功の報告やお礼を送りましょう。
プロジェクト内容によりますが、プロジェクト後の事業でもファンになってくれたり、リピーターになってくれる人もいるかもしれません。
また起案者が他のプロジェクトを立ち上げた際にも支援してくれる可能性も高いです。
これだけで終わると考えず、支援者との関係を長期的にするためにも、しっかりコミュニケーションを取りましょう。
それに合わせて、今後のプロジェクト実行スケジュールやリターン発送予定を連絡しましょう。
具体的に記載すべき内容は以下です。
・今後のプロジェクトスケジュール
・活動報告の更新頻度(ざっくりでも触れておきましょう)
・リターンの発送予定
・リターンの遅れる可能性の有無
・今後の連絡タイミング(発送時に連絡するだけなのか、準備中も連絡があるのかなど)
・何かあった場合のお問い合わせ先
リターンを制作・準備する
支援者への連絡が完了したら、プロジェクトの実行とリターン作成に入ります。
ここで重要なのは、前もって準備することです。
例えば先述したPrinCubeの事例のように、リターンが想定以上の数になる場合は前もってスケジュールの遅れを考慮しておきましょう。
実際にこれから始めるプロジェクトなので、支援者もしっかり誠意をもって活動していることがわかれば、トラブルにならずに済む可能性も高くなります。
支援者目線で、先読みを意識して準備しましょう。
発送準備も合わせて行う
一通りの準備ができてきたら、発送準備にも取り掛かりましょう。
具体的には、プロジェクトページから支援者情報をダウンロードします。
この情報を使って、発送準備をしましょう。
また場合によっては、発送・配送を代行することもできます。
具体的なサービスや業者に関しては、後ほど詳しくまとめています。
リターン発送開始を支援者に報告
実際にリターンの発送を開始したら、支援者に発送完了を報告していきましょう。
ただし、この報告は完了ではありません。
最後受け取りまで完了して、始めてリターンは完了になります。
全ての支援者へリターン発送を完了
ここまで完了したら、改めて支援者に報告を入れましょう。
一斉送信でも、活動報告でも構いません。
そして同じ事業や活動を今後も行うのであれば、新しい情報を合わせて発信するのもおすすめです。
一度関係性ができた支援者は貴重です。
クラウドファンディングを終えた後にも繋げるよう工夫しましょう。
クラウドファンディングのリターン発送|5つの注意点
上記で流れを押さえました。
次に、クラウドファンディングのリターン発送で失敗しないために以下の注意点もチェックしておきましょう。
主に5つあります。
・プロジェクト実施中は活動報告で支援者を安心させる
・リターンが遅れる場合は支援者に必ず連絡
・差出人・何のプロジェクトのものかを忘れずに明記
・支援後のリターン発送まで時間が開く時は支援者の住所変更に注意
・All-in方式は目標金額が集まらなくても、プロジェクト実行は義務
プロジェクト実施中は活動報告で支援者を安心させる
まず、活動報告を定期的に更新しましょう。
特に支援者からすれば、自分の支援金がどんな形で活用されたのかなど、気になるものです。
その点においてプロジェクトの活動報告は重要です。
特にリターンの発送に遅れが落ちてしまっても、活動報告で理由が明確だったり、内容が透明であれば、支援者の不満も溜まりにくく、トラブルを予防することができます。
差出人・何のプロジェクトのものかを忘れずに明記
次に、リターンを発送する際に、必ず差出人・何のプロジェクトのものかを明記しましょう。
特にクラウドファンディングは、実際のリターンを手にするまでに、1ヶ月未満のものから1年以上待つものもあります。
そのため、支援者本人も把握できていないことが少なくありません。
そのためしっかりと受け取ってもらうためにも、差出人やプロジェクト名などを明記するようにしましょう。
支援後のリターン発送まで時間が開く時は支援者の住所変更に注意
「せっかく準備して発送したリターンが、住所間違いで返ってくる…。」
実はこんな問題が多いのをご存知ですか?
上述した通り、プロジェクトとリターン発送までに時間がかかるため、支援者によっては引っ越してしまっているケースも少なくありません。
そこで掲載されている住所で本当に受け取れるのか?などは事前にメールなどで確認しておくと、無駄な発送ミスを防ぐことができます。
リターンが遅れる場合は支援者に必ず連絡
また、実際にリターンが遅れることが発覚した場合は、できるだけ早く、誠実に支援者に連絡をしましょう。
できれば、
・遅延する事実
・遅延する理由
・具体的にどれくらいの期間遅延するのか
・改善策
などを提示すると、支援者としても安心できます。
クレームなどがくる前に、誠実に対応しましょう。
All-in方式は目標金額が集まらなくても、プロジェクト実行は義務
そして最後に、目標金額に達していなくてもプロジェクトの実行やリターンの準備が必要なケースがあります。
それがAll-in方式で行われたクラウドファンディングです。
最もメジャーなAll-or-Nothing方式と違って、支援者がたとえ一人だとしても、プロジェクトの実行とリターンの作成が求められる方式です。
こちらの方式の場合は、目標金額に対する支援額は関係なく、どちらにしてもプロジェクトを実行することになります。
詳しくはこちらのページをどうぞ。
【All-or-Nothingのみ】プロジェクトが成立しなかった場合について
All-in方式とAll-or-Nothing方式の違いについては、以下のページでも説明しています。
クラウドファンディングのリターン発送に使える配送代行業者一覧
ここまでを押さえたら、実際に利用できるクラウドファンディングのリターン発送代行業者を紹介します。
オープンロジ
オープンロジは複数の国内クラウドファンディングサイトとの提携し、配送代行サービスを提供しています。
オープンロジが特に有効なのが、その柔軟さです。
有料オプションではありますが、不明個口対応や不明商品対応など、想定外のことが発生しても柔軟に対応してくれるサービスを提供しています。
そのため多くの量を扱うため、連絡の前後などが起こりやすいクラウドファンディングでは、その柔軟な対応に大きな支持を集めています。
富士ロジテックグループ
食品から、アパレル、精密機械など幅広く取り扱っており、全国各地に物流拠点を展開している富士ロジテックグループです。
クラウドファンディングの大手サイトと提携を行い、クラウドファンディングのリターン発送代行サービスも提供しています。
そのサービスの特徴は、配送するパッケージを選ぶことができることです。
富士ロジテックグループには「箱を開ける瞬間を忘れられない素敵な体験にするために」というコンセプトがあり、リターン発送者は専用資材を選び、梱包方法にも拘ることができます。
そのブランディングされたパッケージと梱包方法など細部までこだわることができるため、熱意を持って成功させたクラウドファンディングと相性がいいサービスです。
CAMPFIRE(キャンプファイヤー)のリターン品制作サポート
さらにCAMPFIRE(キャンプファイヤー)では、ノベルティ・オリジナルグッズのサービスも行っているラクスルとタイアップして、リターン品制作の無料相談サポートを実施しています。
無料なのに、グッズ制作のプロであるラクスル担当者が打ち合わせを行うので、安心できます。
またイメージ画像をWeb上で作れるので、画像をプロジェクトページに掲載するのも可能!
しかもこのタイアップだからこその特別価格で、貴重な支援金を有効活用できます。
取扱い商品は3000種類以上!
プロジェクト成立前に制作費用がかかることもありません。
特にまだどこのクラウドファンディングを利用するか決めていない方は、CAMPFIRE(キャンプファイヤー)を利用してみてはいかがでしょうか?
詳細はこちら
リターン品制作サポート
クラウドファンディングのリターン発送|まとめ
今回はクラウドファンディングの起案者の方向けに、リターン発送の重要性や注意すべきポイント、代行業者や利用しやすいサービスを紹介しました。
本記事をお読みの方は、クラウドファンディングの準備をしている方も少なくありませんよね。
そんな時に合わせて読みたいのが、こちらです。
また改めてですが、クラウドファンディングの成功は資金調達が集まることだけではありません。
支援金が集まった後、リターンなどの対応もしっかり対策し、結果的にプロジェクト・事業の成功までを頭には入れておきましょう。
クラウドファンディング中だけでなく、その先まで考えたプロジェクト内容、長期的な戦略を立てるのが失敗しないコツです。
本記事が、クラウドファンディングを立ち上げる方の一助になれば幸いです。