基礎知識

【2021年 最新版】クラウドファンディングとは?仕組みの解説からサービス徹底比較まで!

国内でもすっかり定着したクラウドファンディング。仕組み自体の知名度の高まりに伴い、多くのクラウドファンディングサービスが展開されてきた。いざクラウドファンディングのプロジェクトを立ち上げるとき、自分に合ったサービスはどう選ぶべきか?クラウドファンディングに関する概要と各種サービスの特徴をまとめた。

クラウドファンディングとは

自分の店をオープンしたい、新商品を発売したい、CDや本を出したい、イベントを開催したい、地域の社会問題を解決したい……夢や目標の達成のためには資金が必要になる。その資金を集めるためにインターネット上でプロジェクトを公開し、共感者からサイトを通じて資金支援をしてもらう仕組みが「クラウドファンディング」だ。

資金調達といえば金融機関等からの融資や資本家・投資会社からの出資などが一般的だが、そういったルートにはない「手軽さ」やSNSなどによる「拡散性」に加え、事前にテストマーケティング(試験販売)が可能であるなどの利点が近年注目されている。

また、商品やイベントの事前PRや、クラウドファンディングを通したファンの獲得という付加価値も、見逃せないポイントと言えるだろう。

クラウドファンディングの歴史

クラウドファンディングの語源は、群衆を意味する「Crowd」と資金調達を意味する「Funding」を組み合わせた造語。クラウドファンディングという言葉自体は新しいものだが、このように資金調達をしてプロジェクトを実現させる方法は、実は古くから存在する。

例えば海外では、書籍の出版費用を民衆から募り、寄付をした人の名前を書籍に掲載する取り組みをしていた。日本でも、寺院や仏像の新造・修復・再建のために僧侶が寄付を募っていた「勧進(かんじん)」などがその例だ。クラウドファンディングとは、分かりやすくイメージすると、このような活動資金調達の方法が、インターネットの普及とともに現代版にアップデートされた形である。

クラウドファンディングが始まったのは2000年代のアメリカで、すでにアメリカやイギリスでは、クラウドファンディングが一般的な資金調達の方法として認知されつつある。

一方日本では、2011年に「CAMPFIRE」「READYFOR」の2つがクラウドファンディングサイトとして立ち上がった背景がある。その年の東日本大震災の影響もあり、クラウドファンディングは事業支援のみならず寄付型のプラットフォームとしても注目を浴びた。現在はクラウドファンディングサイトの種類にも多様性が生まれ、広まりを見せている。

クラウドファンディングの種類を比較する

クラウドファンディングには大きく分けて、金銭以外のモノやサービスを特典として受けることができる「非投資型」と、金銭的なリターンを得る「投資型」の2つがある。

非投資型クラウドファンディングは、「購入型」と「寄付型」さらには、行政が関わる「ふるさと納税型」に分類される。一方で投資型(金融型とも呼ばれる)クラウドファンディングは、「融資型(ソーシャルレンディング)」「ファンド投資型」「株式投資型」に分類。

クラウドファンディングは、現在このように大きく6種類に分類されていて、1種類のクラウドファンディングに特化しているサイトもあれば、複数種類のクラウドファンディングを運営しているサイトもある。

それではここからは、6つのクラウドファンディングそれぞれを比較してみよう。

【購入型】

購入型
購入型のクラウドファンディングの場合、支援者は支援した金額に応じたリターン(モノや商品、サービスなど)を受け取ることができる。

例えば、カフェをオープンするにあたって購入型のクラウドファンディングを行った場合、モノや商品としてのリターンにはコーヒーチケットやオリジナルマグカップなどが考えられる。また、お店の看板に署名を入れる権利や、コーヒー焙煎体験、一日貸し切りパーティー権など、支援額に応じた権利や体験をリターンにすることも可能だ。ただし、金銭的なリターンを受けることはできない。

購入型のクラウドファンディングを運営するサイトは、CAMPFIREREADYFORMakuake、などがある。

【寄付型】


寄付型クラウドファンディングとは、災害支援や社会的弱者支援などの社会貢献型プロジェクトに賛同者(支援者)を募り、寄付を集める方式。原則として支援者にリターンはないが、寄付を受けた人からのお礼の手紙や写真などが届く場合もある。また、寄付型の支援は寄付金として認められるため、課税されないといったメリットが挙げられる。

寄付型のクラウドファンディングを運営するサービスは、CAMPFIREが運営するGoodMorningA-Port寄付型などが代表例だ。

>>寄付型クラウドファンディングの詳細はこちら

【ふるさと納税型】

ふるさと納税型は、自治体が解決したい課題などをプロジェクト化し、支援者からふるさと納税という形で寄付を集める方式。ふるさと納税とクラウドファンディングのメリットを生かした、新しい社会貢献の形だ。納税者は、ふるさと納税の返礼品をリターンとして受け取れ、かつ寄付金の控除を受けることができる。

ふるさと納税型のクラウドファンディングを運営するサービスは、CAMPFIREが運営する 「CAMPFIREふるさと納税」、ふるさとチョイスなどがある。

【融資型(貸付型 / ソーシャルレンディング)】

融資型
融資を受けたい会社と、融資したい複数の個人をマッチングする金融型のクラウドファンディングの1つ。Web上で融資したい個人を募って小口資金を集め、まとめて大口化した上で特定の企業に融資をするという仕組みである。

融資をする側のメリットは、少額から投資を始められることで、低リスクでリターンが期待できることだ。基本的には募集の時点で利率が決まっており、毎月金利が支払われるシステムで運用されている。一般的な金融商品と比較して、仲介事業者へのマージンがカットされ低コストで運用されているため、魅力ある金利になっているのが特徴だ。

融資型(ソーシャルレンディング)クラウドファンディングを運営するサイトには、CAMPFIREグループの「CAMPFIRE Owners」や、海外案件に特化したクラウドクレジットなどが挙げられる。

【ファンド投資型】

ファンド型
Web上で起案者が事業(プロジェクト)に対して出資を募る方式。事業の成果によって、分配金が変動する。「金融型」の中では社会貢献度が高いことも特徴の1つである。

前述の融資型(ソーシャルレンディング)が元本+利息でリターンを提供しているのに対し、ファンド投資型は事業の売上に基づいてリターン(利回り)が決定される。投資した事業が売り上げ目標に達していれば想定された分配金を受け取れるが、売上目標に達していない場合は元本割れのリスクがある。一方で、金銭的なリターンだけでなく、その事業によって生産されたモノやサービスを受け取れることも多い。

ファンド投資型を運営するサイトには、地域の飲食店・観光・農業等の小規模振興事業に投資できるセキュリテや、開花 KAIKAなどがある。

【株式投資型】

株式型
事業を行う企業の非上場株式に対して出資を募る方式。未公開株は個人が運用するにはリスクが高く、投資家は出資先企業の詳細な情報を集めるなど、慎重に検討する必要がある。

出資者はベンチャー企業の株主となるため、経営に関与できるといったメリットもあり、出資先企業の上場や買収などで大きな利益を得る可能性もある。その一方で、一度出資すると、上場もしくは買収されない限り資金の回収が容易ではないといったデメリットもあるのを忘れてはならない。

日本では比較的新しい株式投資型のクラウドファンディングを運営するサイトには、CAMPFIREグループの
「CAMPFIRE Angels」FUNDINNOなどのプラットフォームが挙げられる。

クラウドファンディングの実施方式

クラウドファンディングには「All or Nothing型」と「All In型」の2種類の実施方法があるので、ここで説明しておきたい。

「All or Nothing型」はサイト上で設定した募集期間内に支援金の目標金額が達した場合のみ、資金を受け取れる方法だ。募集期間までに目標金額に達しなかった場合はプロジェクト不成立となり、資金を受け取ることはできず、支援者に全額返金される。

一方、「All In型」は目標金額を設定するものの、達成額に満たなくても資金を受け取ることができるという方式だ。ただし、プロジェクトの実行を事前に確約していることが条件となる。

起案者(プロジェクトを立ち上げて支援を募る人)は原則として、プロジェクト内容を考慮した上で「All or Nothing型」か「All In型」を選ぶことができる。

サービスごとのプラン・手数料を比較する

クラウドファンディングサイト(プラットフォーム)には、それぞれのプランや手数料が設定されている。複数のプランを展開するサイトや、特化サイトなど、各サイトの運営方針はさまざま。それぞれのサービスやプランを比較して、目的に合ったクラウドファンディングサイトを探してみよう。

【購入型】

CAMPFIRE(キャンプファイヤー)
購入型国内クラウドファンディング年間支援プロジェクト成立件数No.1(CAMPFIRE調べ)の日本最大級のクラウドファンディング・プラットフォーム。

手数料12%+決済手数料5%(=17%)
※CAMPFIREのテレビCM公開を記念して、手数料を通常の40%OFFとなる10%で利用できるキャンペーンを、期間限定で実施中(申請期間:2021年10月1日(金)13:59まで)
https://camp-fire.jp/cm

BOOSTER(ブースター)
全国ショッピングセンターやエンタメ事業を展開する「PARCO」が、CAMPFIREと強力タッグを組んでサポートするクラウドファンディングサイト。エンタメ系クラウドファンディングにおける課題に対応した手厚いサポートが特徴。

手数料12~5%+決済手数料5%(=17~20%)
※サポート内容によって手数料が変動
※CAMPFIREのテレビCM公開を記念して、手数料17%のベーシックプランは、手数料を通常の40%OFFとなる10%で利用できるキャンペーンを、期間限定で実施中(申請期間:2021年10月1日(金)13:59まで)

machi-ya(マチヤ)
デジタル家電・小物などのガジェット関連に特化したプロジェクトを多数扱うクラウドファンディングサイト。

手数料20%+決済手数料5%(=25%)

Makuake(マクアケ)
株式会社サイバーエージェントのグループ企業である株式会社マクアケが運営するクラウドファンディングサイト。独自の市場分析ツールやメディア掲載数5,000件以上の実績が強み。プロジェクト実施中に伊勢丹新宿店の6店舗の常設スペースに商品を展示可能(審査あり)。

手数料は20%(決済手数料5%を含む)。

Kanatta(カナッタ)
「女性がさらに活躍できる世の中に。ジェンダー平等の実現に貢献。」がコンセプトの起案者が女性限定の購入型クラウドファンディングサイト。専属スタッフへの無料相談サポートあり。

手数料は17%

Kibidango(きびだんご)
スタッフやクリエーター陣でメディア「かわら版」を運営。手数料は10%と業界最安値(楽天ペイ利⽤時は14%)。世界最大級の購入型クラウドファンディングサイト「Kickstarter」からKickstarter Expertに認定されており、Kickstarterへの挑戦を成功させるアドバイスを受けることができる。

GREEN FUNDING(グリーンファンディング)
出版・CD・DVD・ガジェットなどのプロダクトの購入が主流のクラウドファンディングサイト。TSUTAYAグループの店舗と提携し、リアル店舗での展示や販売、体験会を行うほか、メディアと連携したプロモーションなど、資金調達以外のマーケティング支援も期待できる。初めての人におすすめの「担当キュレータープラン」はフルサポート・決済手数料込みで運営手数料20%。リピーターにおすすめの「運用サポートプラン」は決済手数料込みで運営手数料13%(別途初期費用100万円が必要)。

MotionGallery(モーションギャラリー)
アート、音楽、写真、ゲーム、映画、書籍などの創作活動の実現を支援するクラウドファンディングサイト。MotionGalleryを通じて、世界最大級のクラウドファンディングサイト「Indiegogo」内で日米同時にクラウドファンディングが可能。

手数料5%+決済代行手数料5%(=10%)

sandwich(サンドイッチ)
大分発・大分のためのクラウドファンディングサイト。大分合同新聞社がプロジェクトのPRを、大分銀行が資金調達等をサポート。

手数料は20%。

未来ショッピング
「企業にイノベーションを。地方に活力を。」がコンセプトのチケット購入型クラウドファンディングサイト。日本経済新聞社が運営。日経読者や会員などに予約購入形式で事前に資金の調達が可能。後述のENjiNE(エンジン)への同時掲載も可。

手数料(成功報酬)は20%。

+Style(プラススタイル)
IoT(Internet of Things)製品を創出する企業と、最先端のIoT製品等を購入したい消費者をつなげるプラットフォーム。企業は商品の企画から販売まで消費者の声を取り入れながら創ることができ、消費者は日本未発売の商品を購入することができる。現在、個人エントリー不可。

利用料は商品の販売総額(税込)の10%、決済手数料は別途必要。

WonderFLY(ワンダーフライ)
ANAが運営するクラウドファンディングサイト。通常のクラウドファンディングに加え、テーマに対してアイデアや技術を競うクリエイティブアワード(コンテスト)を開催しており、事前にアイデアや可能性を試すことができる。達成したプロジェクト商品は「WonderFLY ONLINE SHOP」もしくはANAショッピング「A-style」で販売することができる。

手数料は20%(決済手数料・税込み)

COUNTDOWN(カウントダウン)
国内唯一のグローバルクラウドファンディングサイト。プロジェクト(チャレンジ)を英語などの多言語で展開する。手数料は20%(決済手数料含む)。PayPal決済により、世界中から資金調達が可能。プロジェクト(チャレンジ)成功の場合、商品はグローバルECサイトALEXCIOUSで世界中に販売可能。

ENjiNE(エンジン)
チケット購入型のクラウドファンディングプラットフォーム。チケットは他の人に譲渡可能。LINEの公式パートナー。ENjiNE(エンジン)公式アカウントのフォロワーにプロモーション可能。日本経済新聞社が運営する「未来ショッピング Powered by ENjiNE」にプロジェクト告知が可能(審査あり)。

First Flight(ファースト フライト)
ソニーのクラウドファンディングサイト。ガジェット等の新規プロジェクトを支援し、「Sony Startup Acceleration Program」により量産化、事業化のサポートを行うのが特徴。製造以外のプロジェクトも受付中。製品はAmazon・Rakuten・Yahoo!のサイトによる販売支援や、100店舗以上の提携販路の紹介を受けることができる。

【寄付型】

寄付型サービスの中には、一部「購入型」方式を採用しているものもあるが、ここでは分類を明確にするため「寄付型」の機能を持つサイトを掲載する。

GoodMorning(グッドモーニング)
「社会問題と向き合う人のクラウドファンディング」がコンセプト。2019年4月にCAMPFIREより分社化。手数料は4%+決済手数料5%(=9%)

Readyfor(レディーフォー)
日本初・国内最大級のクラウドファンディングサイト。2011年3月設立。調達側の手数料は、シンプルプラン手数料7%+決済手数料5%(=12%)、フルサポートプランはサポート手数料12%+決済手数料5%(=17%)。寄付型に特化したReadyfor Charityや、ふるさと納税を対象にしたReadyforふるさと納税、国際協力活動応援プログラムのReadyfor VOYAGEのほか、Readyfor 緊急災害支援プログラム、大学向けクラウドファンディングのReadyforCollege、社会的養護を必要とするこどもを支援するReadyforこどもギフトを展開している。

A-port(エーポート)
朝日新聞社が運営するクラウドファンディングサイト。新聞社独自の情報発信力・リサーチ力・編集力のノウハウが強み。寄付型に特化したA-Port寄付型のサイトもある。手数料15%+決済手数料5%(=20%)。オンラインサロン開設サービスあり。

【融資型】

CAMPFIRE Owners(キャンプファイヤーオーナーズ)
株式会社CAMPFIRE SOCIAL CAPITALが運営する融資型クラウドファンディング。2019年9月11日より投資家登録受付開始。初号ファンドは「障がい者技術育成プロジェクトファンド」「コスメブランド研究開発ファンド」「エチオピア環境リサイクルファンド」「ADHDサポート教育事業ファンド」の4つ。1万円から投資可能。投資家の口座開設および融資に関する手数料負担はなし。出金時の振込手数料は要負担。

OwnersBook(オーナーズブック)
国内初の不動産案件に特化したクラウドファンディングサイト。担保となる物件を不動産のプロが厳選。1万円から投資可能。年利回り4.0~6.0%案件が中心。貸付型案件は四半期ごとの分配。エクイティ型は案件により分配時期が異なる。全案件不動産担保付き。OwnersBook利用者同士のコミュニティ上で情報交換可能(開示情報は選択可)。出資金以外の手数料は口座への払い戻し手数料300円+消費税のみ。

CrowdBank(クラウドバンク)
カナダ・米国・アジア・欧州など各国の不動産ファンドを取り扱うソーシャルレンディングサービス。1万円から投資可能。不動産担保型ローンファンドのほか、再生可能エネルギー発電ファンドや物流・医療・金融等のファンドもある。口座開設維持・出金・ファンド販売の手数料は無料。

クラウドクレジット
国内で初めて海外案件に特化したクラウドファンディングを行う金融ベンチャー企業。ペルー、エストニア、メキシコに子会社がある。諸外国を豊かにするための「社会インパクト投資」の推進やSDGs達成に向けた取り組みなども行っている。出資金に対して、年率換算で最大4.0%の運用手数料がかかる。別途、為替手数料等がかかる場合あり。

SAMURAI FUND(サムライファンド)
日本全国を8つに分け、各地域に密着した事業者とファンド契約を結ぶ地方創生型ソーシャルレンディング。不動産担保つき案件もある。地域でも開業・設備資金の投資案件や自然エネルギー事業案件も取り扱う。投資期間は最長1年。口座開設維持・成約手数料不要。

Lucky Bank(ラッキーバンク)
ラッキーバンク・インベストメント株式会社が運営するソーシャルレンディングサービス。
数万円からの少額投資が可能。投資利回りは年6~10%を想定。全案件不動産担保を設定。毎月分配。口座開設維持・取引手数料不要。入金手数料は投資家負担。ファンドごとに所定の手数料や諸経費がかかる。

【ファンド投資型】

セキュリテ
社会に価値を生み出すことをコンセプトにしたインパクト投資プラットフォーム。金銭的なリターンを得られる「ファンド」のほか、物やサービスを得られる購入型のプロジェクトや寄付型のクラウドファンディングも展開し、日本各地の地域の問題を支援する。ファンドの審査において、SDGsを評価軸の一つとして採用。運用にはファンドごとに手数料がかかる。出金時手数料も投資家負担。

KAIKA(かいか)
山口県を中心に広島・福岡の若者や女性を主な資金募集者とする投資型クラウドファンディングサイト。地域活性化やビジネス創生、店舗展開を支援を主目的とする。ふるさと納税サイトも運営。山口銀行・北九州銀行・もみじ銀行の口座がある場合、入出金手数料は無料。※運用手数料は記載なし

Sony Bank GATE(ソニーバンクゲート)
ソニー銀行提携の「資産運用」×「共感・応援」がコンセプトの投資型クラウドファンディングサイト。2019年6月10日よりファンド申込み開始。口座開設・分配金受け取り(出金)手数料は不要。※運用手数料は記載なし

【株式投資型】

FUNDINNO(ファンディーノ)
日本初の株式投資型クラウドファンディング・プラットフォーム。1万円から投資可能。1社あたりの年間募集金額の上限は1億円、投資家の1社あたりの年間投資上限額は50万円。株式を取得する権利を行使できる「FUNDINNO型新株予約権」が特徴。権利行使期間は7年で、期間内に上場、M&A、解散のいずれも行われない場合は投資額=損失額となる。

CAMPFIRE Angels(キャンプファイヤーエンジェルズ) ※旧:GoAngel
株式会社CAMPFIRE Startups(CAMPFIREグループ)が運営する株式投資型クラウドファンディング。1社あたりの年間募集金額の上限は1億円、投資家の1社あたりの年間投資上限額は50万円。

【ふるさと納税型】

ふるさとチョイス
ふるさと納税に特化した総合サイト。全国1,700以上の自治体、20万点以上の名産品等と提携している。リターンの商品で選ぶ「ふるさとチョイス総合サイト」と、寄付の使い道で選ぶガバメントクラウドファンディング、災害支援に特化したふるさとチョイス災害支援がある。※自治体側の支払う手数料等は掲載なし

CAMPFIREふるさと納税
「好きな地域を応援する」という、ふるさと納税の基本に立ち返ったプロジェクトを支援するクラウドファンディングサイト。自治体とともに行うまちづくりや地域の地場産業の支援など、地域活性型プロジェクト実績が豊富。手数料は別途契約による。

融資型比較

クラウドファンディングの選び方

クラウドファンディングは運営サイトによって、その種類や手数料、サポート体制、経営理念などが異なる。サイトのシステムだけでなく、自分の起案するプロジェクトがどの層に共感してもらえるか、商品やサービスがどのサイトと相性がよいかなどを見極めることがプロジェクト成功(資金調達を目標期間内に達成)につながる。

また、プロジェクト起案者側のメリットは資金調達や社会貢献だけでなく、新商品のプロモーションおよびマーケティング、販路開拓、ファンとの情報交換・コミュニティづくりなど、多岐にわたる。支援者・出資者側にもクラウドファンディングを通してどのようなメリットを与えられるかを考え、各サイトのサービス内容を比較検討することも、共感されるプロジェクト作りの第一歩である。

最後に、クラウドファンディングサービスの比較にあたり、『ザ・クラウドファンディング』(金融財政事情研究会、2016年)の著書である、有限会社あおむしマネジメント代表取締役の佐々木 敦也氏に、サービスを選ぶポイントについてお話を伺った。サービス選定の上で参考となれば幸いだ。

mrsasaki
佐々木 敦也(有限会社あおむしマネジメント代表取締役)
1983年、筑波大学第一学群社会学類(法律学専攻)卒。住友信託銀行(現三井住友信託銀行)、朝日生命保険でエコノミスト、債券、為替ファンドマネージャー、朝日ライフアセットマネジメントで年金ポートフォリオマネージャーなどを経て、既存にない経済・金融サービスを目指して独立。『ザ・クラウドファンディング』(2016年)など著書多数。

Q1:サービスを比較する際にもっとも注視すべきことは何でしょうか

まずは自分が実施したいプロジェクトがどのクラウドファンディングのタイプでやるべきかを考え、その後具体的なサービスを選択しましょう。

①サービス開始時期
やはりある程度事業期間があるサービスの方が安心感はあります。

②得意分野・評判
音楽や映画関係のクリエイティブな分野が得意なサイト、家電などのガジェットが得意なサイトなどがあり、自分のプロジェクトと合うサービスをサイトや質問により確認しましょう。

③累計実績、成立件数実績
実績や成功率の高い分野を確認すると良いでしょう。

④調達手数料
サイトにより10〜20%と大きく異なります。但し、安いからいいという選択は避けたほうが良いでしょう。

Q2:自分のプロジェクトにあったサービスはどのような点に気をつけて探すべきでしょうか

1.サービスの得意分野
例えば最新の家電、ガジェットを得意としているサイトに社会貢献や映画製作のプロジェクトを掲載しても、なかなかアクセスに伸び悩む可能性が高いです。

2.閲覧利用年齢層
例えば、若い世代に向けたサービスであれば、スマホサイトの構成などでアクセスを得られやすいようにしているかなどをチェックしてみましょう。

3.サービスの指導力(コンサルティング能力)
購入型の成功の条件として①「面白さ」②「新規性」③「ファン(支援者)」④「社会貢献性」⑤「資金使途の明瞭性」などが挙げられ、適切にそのポイントの指導ができないサービスは避けたほうが良いでしょう。

クラウドファンディングのプロジェクト実施の流れ

それではここで、クラウドファンディングのプロジェクト実施の流れを、クラウドファンディングサイト大手のCAMPFIREを例に見てみよう。大まかには下記の流れで実施される。

1.アカウントの作成
2.クラウドファンディングのプロジェクトページを作成
3.プロジェクトページの申請
4.プロジェクトの審査
5.プロジェクトページを公開し、資金調達をスタート
6.プロモーション活動を行い、プロジェクトページを拡散させる
7.集まった資金でプロジェクトを実行

プロジェクトの作成や審査にはある程度日数を要するため、目安としては、公開予定日から逆算して3~4週間ほど前から取り組みたい。

CAMPFIREは、アカウント作成の事前審査もなく、プロジェクト自体の審査もとてもスピーディー(最短即日~5日程度)。1プロジェクト1担当者制を採用し、初めての方でも気軽に始められるのが魅力だ。

プロジェクト実行者のメリットとリスク

原則、完全成果報酬制となるクラウドファンディングは、資金がない方や事業経験が浅い方でも気軽に始めやすい。

また、市場に出る前の製品や事業に対して、資金調達に加えテストマーケティングとしての活用ができる点も、大きなメリットと言えるだろう。クラウドファンディングをすることで、活動のPRやファン獲得にもつながるのだ。

一方で、目標に達成できず資金調達ができないというリスクももちろん、知っておく必要がある。プロジェクトが実行できない際には、支援者にきちんと説明をする責任もあるので、そういった事態も含め、成功するための計画性、支援者との信頼関係を大切にしたい。

クラウドファンディングでの支援の流れ

こちらも一例で、CAMPFIREでクラウドファンディングに支援する際の流れは、次のとおり。

1.プロジェクトの検索
2.プロジェクトの詳細を確認
3.応援したいプロジェクトを、募集期間内に支援(決済)
4.募集期間終了後は、活動報告などでプロジェクトの進捗を確認
5.リターンが届くのを待つ

興味のあるプロジェクトを発見したら、プロジェクトの内容やリターンの詳細をしっかりと確認しておこう。

プロジェクト支援者のメリットとリスク

クラウドファンディング支援者にとってのメリットは、何といっても魅力的なリターン。市場に出回る前の便利な製品を、お得な価格で購入できることもあるので見逃せない。また、支援を通して社会貢献ができるという点も、大きなメリットと言えるだろう。

起案者の思いや活動の様子が見えることで、相手に思いを伝えたりと、双方向のコミュニケーションにつながることもあるようだ。

一方で、プロジェクトによっては目標達成ができなかったり、達成したにもかかわらず、起案者の不測の事態でリターンを得られないといったリスクがある。CAMPFIREでは、こういった事態に対応するための「クラウドファンディング保険」というサービスを提供しているので、利用するのもひとつの方法だ。

2021年のクラウドファンディング見通し

新しい資金調達、社会貢献の方法として、今やすっかりと浸透した感のあるクラウドファンディング。

日本でクラウドファンディングが始まり、およそ10年が経過した2021年は、どのような見通しとなるのだろうか。直近のニュースをいくつかピックアップし、それを参考にしながら紐解いてみたい。

新たな事業展開にクラウドファンディングを利用

コロナ禍でクラウドファンディング広がる 新事業に活用も–NHK

2020年は、コロナ禍で大打撃を受けた飲食・イベント業界が、クラウドファンディングでなんとか巻き返しを図る動きが高まった。2020年6月までの半年間で、購入型クラウドファンディングで集まった資金は、過去最高の223億円にものぼるという(前年比のおよそ3倍)。

そんな中、コロナ影響の長期化を見据え、飲食店のネット通販やイベントのオンライン配信など、新たな事業展開にクラウドファンディングを利用するケースが増えている。新しい生活様式にマッチした事業は、飲食・イベント業界にとどまらず、あらゆる業種でこれからますます展開されるだろう。

依然人気が集まるガジェット系のクラウドファンディング

【2021年2月版】買ってよかった!クラウドファンディングおすすめ最新ガジェット–BAMP

「リモートワーク」や「おうち時間」など、新しい生活様式が必要となった2020年、生活をより便利に、豊かにしてくれるガジェット系のクラウドファンディングに人気が集まった。2021年も引き続き、便利でアイデア豊かなガジェットが続々と登場している。

PC・スマホ周辺機器や、災害時にも役立つモバイルバッテリーなどをはじめ、最近では、人口知能を搭載したロボットや、プロジェクター、VR機器なども登場。便利なだけではなく、心をも満たしてくれるようなアイテムが増えている。

2021年は、ますます多目的なジャンルのガジェット系クラウドファンディングで賑わいを見せそうだ。

さらに関心が高まる株式投資型クラウドファンディング

21年は誰でもエンジェル投資家に 未公開株式を10万円で買える–日経クロストレンド

法改正により、2017年にようやく日本でもスタートした株式投資型のクラウドファンディングは、2020年のエンジェル税制改正により、さらなる拡大の兆しを見せている。

株式投資型クラウドファンディングを利用して、資金調達を試みるベンチャー企業は実際に増えており、2020年の国内実施件数・調達総額は、ともに過去最高を記録している。

元本割れのリスクはあるものの、誰もが小額で未公開株を買うことができ、将来的には高い売却益を得る可能性があるとあって、一般投資家たちにも関心が高い。日経クロストレンドの「2021年ヒット予測」に、26位でランクインされるほどの注目ぶりだ。

いち早く株式投資型クラウドファンディングに着手したイギリスやアメリカにおいては、IPOやM&Aをした企業もすでに出始めている。日本でもそのような事例が発生すれば、株式投資型クラウドファンディングは新たなフェーズを迎えることになるだろう。

これらのニュースからも分かるように、いまだ続く先の見えないコロナ禍で、新しい事業展開や支援・投資活動など、現状にマッチした何らかのアクションを起こす人が増えている傾向が伺える。あらゆる視点からのアプローチが可能なクラウドファンディングは、今後ますます多種多様な拡大を見せるだろう。

成功を収めたクラウドファンディングの事例

それではここで、クラウドファンディングで成功を収めた実例をいくつか見てみよう。

肉も野菜もデザートも。最新機能でもっと便利な低温調理器NiseWave

肉も野菜もデザートも。最新機能でもっと便利な低温調理器NiseWave
【支援者】233人
【当初の目標金額】300,000円
【実際に集まった支援総額】5,021,266円

2018年北米クラウドファンディングでは累計販売数1万500台を超え、支援金額およそ3,000万円を突破したNiseWave低温調理器が日本にも上陸し、クラウドファンディングが開始された。

水の入った鍋にNiseWaveを入れるだけで、設定した水温をキープして調理ができる便利なアイテムだ。

例えば、焼くときの火加減が難しいステーキの調理も、NiseWaveを使ってフライパンよりも低温で調理をすることで、プロさながらのジューシーな仕上がりに。防水性が高いため、丸ごと水洗いができるのも嬉しいポイント。

最新機能を搭載した便利な調理器は多くの関心を集め、また、発売開始前のお得な価格設定もあり、達成率1673%にものぼる支援が集まった。

支援者の方も、発売を予定している便利な商品を、いち早くお得に購入できた一例である。

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【寿司さいしょ】銀座撤退!世界の舌に鍛えられた味を創業地大井町で再起します!

【寿司さいしょ】銀座撤退!世界の舌に鍛えられた味を創業地大井町で再起します!
【支援者】356人
【当初の目標金額】3,000,000円
【実際に集まった支援総額】8,502,000円

「寿司さいしょ」は、銀座に店を構える人気の寿司店。新型コロナウイルスの影響で銀座から人が減り、さらに追い打ちをかける政府からの緊急事態宣言により、40日間の完全休業を強いられた。

再開後は感染予防に手を尽くすもなかなか客足が戻らず、家族連れのお客様や出前・お持ち帰りなどの需要が見込める住宅地への移転を決意。移転費用の支援を求め、クラウドファンディングに挑戦した。

支援金は、支援しやすい3,000円からの設定で、金額に応じてさまざまなリターンを準備。特に、支援金と同額のお食事券にドリンクや人気の寿司が付いたリターンには多くの支援が集まり、目標金額の3,000,000円を達成したのは、公開からわずか2日目のことだった。

終了時には、ネクストゴールの5,000,000円を大きく上回る8,502,000円の支援を集める結果に。充実のリターンと新店舗に向けた進捗状況をまめに報告したことが、支援者の心を掴み大成功を収めた一例だ。

>>「【寿司さいしょ】銀座撤退!世界の舌に鍛えられた味を創業地大井町で再起します!」の詳細はこちら

社会が “しんどい” 若者が「働く」を体験するカフェを開きたい!

社会が "しんどい" 若者が「働く」を体験するカフェを開きたい!
【支援者】151人
【当初の目標金額】1,000,000円
【実際に集まった支援総額】1,253,503円

NPO法人サンカクシャは、これから社会に出ていく若者たちの自立を応援する団体。今回は、働くことや将来への展望につまずきがちな若者に、気負わず働ける環境を与えるためのカフェをオープンしたいと、寄付型のクラウドファンディングにチャレンジした。

若者に人気の「接客業」という業種を体験することで、コミュニケーションスキルや社会との関わり方を学ぶのが狙い。スタッフとして働くだけではなく、カフェオープンに向けた準備の段階から関わることで、より充実した体験ができるという計画だ。

寄付金は1,000円から受付け、3,000円以上の寄付金に対しては、お礼のメッセージに加えドリンクやフードチケットのリターンも準備。活動に共感した多くの人からは、たくさんの支援とともに応援の声も届けられた。

カフェはプロジェクト開始からわずか数週間でプレオープンにこぎつけることができ、最終的にはネクストゴールの「支援者150人」も達成することができた。

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クラウドファンディングのサービスを理解して自分に合うものを選ぼう

コロナ禍で人々の生活様式が大きく変化した2020年。2021年は、変化にマッチしたアクションが求められ、リーダーシップを発揮する人、それを支援する人のマッチングが社会を動かす原動力となりそうだ。クラウドファンディングは、その一端を担うポテンシャルが十分にあるシステムと言えるのではないだろうか。

現在、さまざまなクラウドファンディングサービスが展開されているが、その仕組みやメリット・デメリット、各社のサービス内容を十分比較してプロジェクトを起案することが重要だ。一方で支援者にとっては、いろいろな選択肢が準備されているという嬉しいメリットもある。

どのサービスが自分に一番合っているのかを把握した上で、クラウドファンディングを会社や個人の成長の場として活用してほしい。

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