「みなさん、社会貢献してますか?」
この質問に、心から「はい」と即答できる人はあまり多くありません。
それは筆者である私も例外ではありません。
心のどこかで、「企業やNPO、国、自治体が取り組んでくれるモノ」だと思ってしまっていませんか?
ですが昨今、このコロナ時代の影響や、世界的にSDGsなどの取り組みが盛んになり、個々人が社会のことを気遣うきっかけが多くなりました。
この記事に辿り着いたあなたも、少し社会貢献に関心があるのではないでしょうか。
そこで今回は、今個人でできる社会貢献について解説していきます。
一人では大きなことはできないかもしれません。
それでも一人一人が少しだけ行動することで、世界中で救われる人がいるかもしれません。
この記事で、今あなたができる社会貢献についてみていきましょう。
今さらきけない、社会貢献の定義とは?
まず社会貢献の定義です。
結論から言えば、社会貢献に明確な定義はありません。
公共の利益となること、社会の利益に貢献することを、自分の意思で行うことをいいます。
そのため、漠然とでも「社会に役立つ活動」は社会貢献の一つとして考えられています。
社会貢献といえば、NPOのボランティアや企業が行うCSR(Corporate Social Responsibility)などが真っ先にイメージされますよね。
ですがそれら特別な団体や活動だけでなく、個人でできるモノも社会貢献と考えられます。
ゴミを分別したり、コンビニでビニールをもらわないようにしたり、リサイクル品を積極的に利用したり、カフェで使い捨て素材を使わなかったり。そんな些細なことも環境保全のための立派な社会貢献です。
社会貢献に近い言葉で昨今使われているソーシャルグッド。
こちらの言葉についても以下の記事で紹介していますので、ぜひ目を通してみてください。
より具体的に社会貢献の種類についてみていきましょう。
社会貢献にはどんな種類がある?
ここからは社会貢献にはどんな種類があるのか?を解説します。
ただ上記で解説した通り、社会貢献は定義が曖昧です。
そのため社会貢献の種類の分け方もいくつかあります。
今回は中でもわかりやすい、「何を持って社会貢献とするか」で分類します。
まず、以下の3種類に分けることができます。
・「物」的支援
・「人」的支援
・「経済」的支援
物的支援
まず、「物」的支援です。
貢献の仕方にもよるのですが、具体的には、
・必要なモノが足らない地域に支援する方法
・自分の利用するモノを社会貢献に繋がるものにする方法
・設備や施設の利用を許可する方法
などがあります。
まず、必要なモノが足らない地域に支援する方法です。
例えば、災害地域に救助用品を提供する、アフリカの子供たちに洋服や紙などを送る、などがあります。
企業レベルであれば、自社製品やサービスを無償や安価で提供する方法です。
また、自分の利用するモノを社会貢献に繋がるものにする方法もあります。
例えば、スターバックスのストローをなくす工夫や、ストローの素材を工夫するなどです。
テイクアウトでなければ、環境保全のために使い捨てではない容器を使う、などもこれに当たります。
さらに、設備や施設の利用を許可することで、社会に貢献する方法です。
こちらは特に企業や学校が利用している方法ですが、所有するホールやグラウンド、図書館などの施設を開放することで、スポーツや学問などの機会作りに役立っています。
一言に物的支援といっても、必要なものを必要な分だけ供給すること、利用するものを工夫すること、数の限られた施設・設備を提供すること、など様々な社会貢献があります。
人的支援
次に、「人」的支援です。
人的支援は、文字通り人に依存した社会貢献です。
例えば、ボランティアに参加することはわかりやすい人的支援ですよね。
またボランティアとして参加しなくても、被災地の復旧活動に参加したり、自然保護の活動に参加したり、発展途上国の支援活動を行うNPOに参加するなど、人的支援は様々な形があります。
身近なところでは、企業のごみ拾い活動などもこれに当たります。
加えて、技術やノウハウ、知識の提供を行うことも、社会貢献の一つです。
企業の場合、例えば特別な技術やノウハウを持つ従業員を教育機関に提供すること、などがあります。
あるいは国を跨いで、発展途上国などの文化がまだ進んでいない国に、教育者として参加する方法もあります。
人的支援は、単純な人手として支援することに加えて、技術や知識を持つ人が誰かに教えることで、社会貢献する方法です。
経済的支援
最後に「経済」的支援です。文字通り、お金を使って支援する方法です。
こちらは、個人であれば募金や寄附活動、最近では社会貢献に取り組んでいるクラウドファンディングへの支援などもこれに当たります。
また企業としては、社会貢献活動を行っているNPO法人などに資金提供することです。
上記の2つ(物的支援や人的支援)のような直接的な社会貢献活動ではありませんが、間接的には社会貢献に繋がる方法です。
最近では、売上の一部を社会貢献活動団体に寄附する企業なども増えています。
ある意味最も手軽にできる社会貢献が、経済的支援です。
社会貢献している日本企業の活動とは?
ここまで「社会貢献」を具体的にどんな種類があるのか、解説しました。
では、実際に今行われている社会貢献活動はどんなものがあるのでしょうか?
身近なところでは、やはり企業がCSR・社会貢献活動を行っています。
2021年の東洋経済の調査によると、実際に近大企業は特にこの社会貢献活動に多額の資金を投じており、64社もの企業が社会貢献活動に10億円以上支出しているというデータもあります。
それほどまでに、企業が社会貢献活動を行うことは一般的なんです。
中でも2021年現在では、主にSDGsへの取り組みが中心になっています。
SDGsとは、国連加盟193か国が、2016年から2030年の15年間で達成するとして、掲げた目標です。
「Sustainable Development Goals」の略称で、直訳すると『持続可能な開発目標』です。
SDGsについて詳しく知りたい方はこちら
ここからは、具体的に日本企業が行っている社会貢献活動を紹介します。
HONDAの社会貢献への取り組み
まず、東洋経済新報社による「社会貢献支出の多い100社ランキング2019(https://toyokeizai.net/articles/-/427134)」で1位に輝いたHONDAです。
毎年社会貢献費用が上昇しており、その額は95.7億円にものぼります。
ホンダの主な社会貢献への取り組みは、
・学生への支援(技術向上に効果的なイベントなどの支援)
・海外向けに技術支援(南米での職業訓練など)
・コロナ課題への物的、経済的支援
などを行っています。
NTTドコモの社会貢献への取り組み
次に、2020年12月に上場廃止の「NTTドコモ」です。
2017年は64.8億円、2018年は88.2億円と高い水準を維持し、2019年には77.9億円でランキング3位になりました。
NTTドコモの主な社会貢献への取り組みは、
・環境保全活動(全国49カ所の「ドコモの森」づくり)
・アジア諸国の学生への経済的支援
・スマホなどのIT機器のトラブル予防活動(技術支援)
などがあります。
JTグループの社会貢献への取り組み
JT(日本タバコ産業)グループは、社会貢献活動にかなり力を入れている企業の一つです。
その目標数字は、2015年から2030年までに600億円の投資と従業員のボランティア時間30万時間を設定しています。
そんなJTが主に取り組んでいる社会貢献活動は、
・格差是正(日本に留学する私費留学生の支援など)
・環境保全活動(全国9ヵ所にある「JTの森」)
・災害の復興支援と防災、減災活動
なんと2019年終了時点で、すでに600億円のうち338億円を投じています。
さらに従業員のボランティア時間は11万時間を突破しています。
社会貢献への力の入れようは国内トップクラスです。
社会貢献したい!今個人でできる社会貢献活動とは?
ここまでで、日本企業が具体的にどのような社会貢献を行っているのかを紹介しました。
では、社会貢献は個人でするのは難しいのでしょうか?
もちろんそんなことはありません。
極端な話、今すぐに始められるモノもたくさんあります。
特に、前半で手軽にできると紹介した「経済的支援」です。
ここからは、今個人でできる社会貢献活動『クラウドファンディング』について紹介していきます。
今個人でできる社会貢献『クラウドファンディング』
クラウドファンディングは、様々なプロジェクトに対して、個々人が少額から経済的支援ができるサービスです。
クラウドファンディングは誰でも簡単に参加できることが特徴です。
そして何より、クラウドファンディングの中には、SDGsや社会課題に取り組む事業やサービスがたくさんあります。
具体的な行動などはできなくても、これらを支援することで社会貢献を行うことができます。
ここからはそんな社会貢献を促進する「クラウドファンディング」について、解説していきます。
クラウドファンディングの仕組み
クラウドファンディングとは、「インターネットを介して不特定多数の人々から少額ずつ資金を調達すること」または「そのサービス」を指しています。
クラウドファンディングは、比較的新しい資金調達方法です。
従来の資金調達にはない「手軽さ」や「拡散性の高さ」「テストマーケティングにも使える有用性」といった点が、魅力的な新たな資金調達の仕組みとして近年注目されています。
より詳しくは、以下のページを参照してください。
社会貢献になるクラウドファンディングの事例集
ここからは、実際に社会貢献になるクラウドファンディングの事例を紹介していきます。
全国のフェアトレードショップをお買物券で応援!フェアトレード未来チケット!
『フェアトレードな未来をつくりたい!』
そんな想いから立ち上がった、全国のフェアトレードショップを応援するプロジェクトです。
特にコロナの影響で経済的に追い込まれている海外の生産現場や日本全国のフェアトレードショップを支え、海の向こうの作り手たちの未来を支え、 アフターコロナには今「思いやり」と「共感」が広がった社会づくりを目指しています。
実際の支援額はなんと4,181,300円。支援者は450人を超え、大成功しています。
フェアトレードを支援することも立派な社会貢献ですよね。
社会問題を解決するYouTube番組を作りたい!
お笑いジャーナリストで今27歳の「たかまつなな」さんが、今の若者でも楽しめる社会問題を解決するYouTube番組を作るため、立ち上げたプロジェクトです。
もともとはNHKで働いていたたかまつさんですが、「笑いで世直し」をコンセプトに活動しており、若者に向けた政治や社会問題を、身近に感じることができる番組を作りたいと思っていました。
このままNHKで10年、20年修行すればできるかもしれない。
でもその時には自分はもう若者ではない…。
そのとき、本当に私は若者向けに番組を作れるのだろうか?
そんな葛藤から、時事YouTuberとして「社会問題解決型」の今までにない番組を作っていくことを決意しました。
「社会問題を知るきっかけ作り」も立派な社会貢献ですよね。
結果6,056,210円もの金額を調達し、619人もの人が支援しています。
寝たきりでも働ける「分身ロボットカフェ」実験店 常設化プロジェクト!
こちらは最先端の分身ロボット「OriHime」を使い、遠隔で仲間と共に働けるカフェのプロジェクトです。
例えばALSや脊髄損傷などの病気、入院、海外在住など、様々な理由で、自分の体を現場に運んで働くことが困難な方が、自宅や病院にいながら自分の分身となるロボット「OriHime」を遠隔操作し、お客さまに喜ばれる接客を行う事ができるかという実験カフェです。
障害などがあっても働けるような仕組みづくりは立派な社会貢献ですよね。
その画期的な取り組みに共感が集まり、2156人の支援者と44,587,000円もの金額が集まりました。
具体的な取り組みに関してのインタビューについてもぜひ読んでみてください。
クーデターとコロナで困窮するミャンマーの人々に食糧配布で応援を。
もちろん国内だけでなく、世界的な社会問題への取り組みもあります。
コロナ禍やクーデターによって、貧困率が16%から62%に劇的に増加したミャンマーの食料問題への社会貢献プロジェクトです。
経済・社会が麻痺する中、日々の生活費にも困る世帯に現地NGOと協力して食糧配布を行うために、支援を募っていました。
支援者は1434人にも登り、15,566,470円もの支援金が集まっています。
ここまで紹介したようなプロジェクトを支援することで、間接的にでも社会貢献に参加しませんか?
少しでも興味がある方は、ぜひCAMPFIRE(キャンプファイヤー)や社会貢献プロジェクトに特化したGoodMorning(グッドモーニング)に遊びに来てください。