基礎知識

【事例付き】コロナ禍におけるライブハウスやバーのクラウドファンディング活用術をご紹介!

最初の緊急事態宣言が発令されて一年。多くの事業者が打撃を受けています。中でもその煽りを強く受け、さらには世間から“不要不急”として後ろ指刺される対象になったライブハウスをはじめとする音楽提供の場所。約一年の間で閉店を余儀なくされた場所は数知れず。一方、アーティストやファンなど音楽を愛する人たちが場所を残すため、クラウドファンディングを活用した事例も多くあります。

現在三度目となる宣言が発令され、クラウドファンディング各社は新型コロナウイルスに伴う支援の取り組みが始まっています。CAMPFIRE(キャンプファイヤー)でもコロナサポートプログラムの第3弾がスタートしました。今回はクラウドファンディング活用を考える音楽提供店舗事業者に向け、昨年コロナ禍で挑戦されていた事例をご紹介。クラウドファンディングで音楽提供場所関連プロジェクトを起案する際のポイントについてもお届けします。

クラウドファンディングとは?


クラウドファンディングは「購入型」「寄付型」「融資型」「株式型」「ファンド型」「ふるさと納税型」大きく6つの種類に分類されます。音楽提供店舗事業者の多くは「購入型」を利用しています。購入型クラウドファンディングは、起案プロジェクトの賛同者から支援金を募る一方、支援金の御礼(リターン)として商品やサービスを支援者に提供します。

また購入型クラウドファンディングは、「All or Nothing型」「All In型」の方法があります。前者は期間内に目標金額が集まったときのみプロジェクトが実行、後者は一人でも支援者を獲得できればプロジェクトを実行する仕組みです。

プロジェクト起案者は集まった支援金額から各クラウドファンディングプラットフォームの定める「手数料+決済手数料」を引いた金額を受け取ることができます。多くの場合、手数料は10~20%程度ですが、プラットフォーム毎に異なります。時期によってはキャンペーンなどを実施している場合もありますので、プロジェクト実施前には各プラットフォームのサイトをチェックしてみましょう。

CAMPFIRE(キャンプファイヤー)はこちらから >>

音楽提供店舗事業者に勧めるクラウドファンディング2つの活用方法

実際に音楽提供店舗事業者がどのような形でクラウドファンディングを活用しているのでしょうか。
大きく2つの活用方法をお伝えします。

活用方法①:資金調達

クラウドファンディングは「インターネットを介して不特定多数の人々から少額ずつ資金を調達できる」仕組みです。コロナ禍で売上が減少し経営困難なライブハウスやジャズバーであれば「営業存続資金」「イベント開催資金」「オンライン配信機材購入資金」などを目的とした資金調達が可能です。

活用方法②:新しい取り組みの広報・PR

次なる新しい取り組み(新規事業など)を始める場合の広報やPRとして活用することも可能です。広く宣伝することを目的にクラウドファンディングを活用する際には、ユーザー数の多いプラットフォームを調べましょう。

サイト比較ごとの手数料についてはこちらからご確認ください。

【2021年最新版】クラウドファンディングの手数料を徹底比較!

音楽提供店舗事業者がクラウドファンディングを活用する2つのメリット

とはいえ、クラウドファンディングはまだ未知の領域と感じる音楽提供店舗事業者の方も多いはず。
音楽提供店舗事業者がクラウドファンディングを活用するうえで知っておいてほしい、2つのメリットをお伝えします。

メリット①:ファンの獲得

多くの場合、支援者は「応援したい」という気持ちで支援をしてくれます。そのため、継続的にお店を応援してくれる「ファン」になることも。ファンを獲得すれば、音楽を届けたいアーティストと音楽を欲している顧客が介する場所を提供し続けることができ、経営を続けていくうえで大きなメリットになります。

メリット②:ユーザー体験の向上

クラウドファンディングで集めた資金をオンラインイベントなどの配信機材購入資金にあて、映像や音質のクオリティアップを目指すことも可能です。万が一リアルイベントの開催が難しく顧客が店舗へ足を運べない場合でも、配信のクオリティが高ければユーザー体験が向上し、視聴数の増加やその後の配信イベントの評判にも繋がります。

音楽提供店舗事業者がクラウドファンディングを始める際のポイントや注意点

ただ闇雲に始めるだけでは支援者が上手く集まらないことも……。そこで、音楽提供店舗事業者がクラウドファンディングを始める際の2つのポイントと1つの注意点をお伝えします。

ポイント①:自己紹介で思いを伝えよう

「誰がどんな思いでお店を大切にしているのか」で応援するか判断する支援者もいます。プロジェクト起案者はきちんと自己紹介をするとともに、「なぜこのプロジェクトをやるのか」といったプロジェクト(お店)への思いを“自分の言葉”で伝えましょう。支援者の「この人を応援しよう」という気持ちを醸成させられるような文章を意識してみてください。

ポイント②:応援コメントをもらおう

ライブハウスやジャズバーなど実際に店舗や起案者に関係のある人から応援コメントをもらいましょう。「ライブ会場を応援しよう」など“場所を応援する”ニュアンスだと支援者に伝わりづらい場合があります。一方「アーティストを応援しよう」といった“人を応援する”ニュアンスは想像がしやすいのです。アーティスト自身が「ライブできる場所を存続させたい」とコメントを出すことで、アーティストファンの目に止まりやすく支援者が増える可能性も。

また、可能であればアーティストさんや関係者さんからサインやオリジナルグッズなどの「リターンの協力」を依頼するのも支援を増やす一つの手段となります。

注意点:飲食チケットのリターン

支援者へのリターンに期間限定ライブドリンク代無料チケットや飲み放題割引券など「飲食チケット」系が多くなっていないかを確認してください。チケットに有効期限を設けていたり無料チケットでなかったりする場合はトラブル回避のためにもその旨をしっかり伝えましょう。また、お店で販売している飲食費の値段より高くなっていないかも事前にチェックしてください。

音楽領域のクラウドファンディング活用事例

クラウドファンディングを活用している音楽提供店舗事業者はすでに数多くいます。ここでは目標金額を達成した音楽提供店舗の活用事例をご紹介!また、クラウドファンディングに挑戦した実際の声を取り上げます。

閉店した店舗の営業再開に向け、クラウドファンディングを活用

クラブグッドマン&スタジオリボレ再開支援【Birth Cry Project】


【支援者】708人
【当初の目標金額】5,000,000円
【実際に集まった支援総額】7,653,000円
【プロジェクトページ】https://camp-fire.jp/projects/view/327780

コロナ禍の影響で閉店を余儀なくされた東京秋葉原で34年の歴史を持つ『STUDIO REVOLE』と24年の歴史を持つライブハウス『CLUB GOODMAN』の店舗再開に向けたプロジェクトです。プロジェクト開始から6日目にして目標金額の500万円を達成し、さらなる目標に向けてネクストゴールを設定したところ目標金額の150%を超える支援が集まりました。

支援者一人ひとりが自分に合ったリターンを選択できるよう「スタジオ利用券」や「ホールレンタル」、Tシャツ・パーカーなどの「オリジナルグッズ」とリターンの内容も豊富。中でもライブハウスにゆかりのあるアーティストの「プレミアムライブチケット」やライブハウスに支援者の名前を飾る「お名前プレートコース」は完売するほどの人気ぶりでした。

<起案者の実際の声>

「CLUB GOODMAN」はこんなに愛されていたんだ」と実感出来たのが、今回のクラウドファンディングを実施した事の意義でした。多くの支援者様、支援金額にはスタッフ一同感謝しております。ありがとうございました。元々は自分自身「クラウドファンディング」否定派でした。それはリターン品は売り上げの前借りに過ぎないのではないか?と思っていただからです。ですが、立ち上げから実施に至るまでありとあらゆるメディアを調べ、作っていくうちに「上手に活用すればみんなにとってプラスである。」と考えが変わりました。決め手は「プロモーションとしての活用」です。お金を集める事がもちろんメインではありますが、クラウドファンディングを実施する事自体が注目を集める、それを目的としたものであると認識をしてからは、有意義に進める事が出来ました。いやはや、物事は多角的に捉えないとダメと気付かされた瞬間でした。そうです!もちろんCAMPFIREの運営スタッフさんの手厚いフォローがあってこそでした。とても助かりました。ありがとうございました。

ライブバーの13周年を無事迎えるため、クラウドファンディングを活用

大久保bumpcity -バンプシティ- コロナに負けない!応援プロジェクト!



【支援者】389人
【当初の目標金額】1,000,000円
【実際に集まった支援総額】4,383,000円
【プロジェクトページ】https://camp-fire.jp/projects/view/252906

今年14周年を迎える東京大久保にあるライブバー『Bumpcity』。度重なるイベントの中止で昨年4月はほぼ休業になるほど窮地に立たされていました。ライブバーのメンバーや店を利用してくれるミュージシャンの後押しもあり店舗救済に向けたプロジェクトを発足したところ、目標金額の400%を上回る支援が集まりました。

『頑張れバンプ!コース』以外のリターンには「ドリンクチケット4枚セット」を付けており、お店の常連さんが分かるようチケットの説明を本文に記載。特に人気だったのは『限定Tシャツ付コース』。クラウドファンディング限定の周年記念Tシャツである特別感と、S~XLサイズを用意しているため体型に合わせて購入できることから多くの人がこちらのリターンへ支援したのでしょう。

<起案者の実際の声>

ウチの店がクラウドファンディングを始めた時はシステムも含めどのようにしたらいいか全く No Idea で、友人からキャンプファイヤーさんを紹介され、本当に良かったと思います。
その後いろんな人から話を聞いたり実際私が支援したりしてわかりましたが、手続きがわかり易かったり提携カード会社の数が多かったりキャンプファイヤーさんは一番評判がいいです。
もし私の周りでクラウドファンディングを考えている人がいたら、紹介させて頂きたいと思います。

厳しい経営状況を打破すべくクラウドファンディングを活用

この場所を守りたい「新木場スタジオコースト」支援プロジェクト



【支援者】3,714人
【当初の目標金額】10,000,000円
【実際に集まった支援総額】22,273,000円
【プロジェクトページ】https://camp-fire.jp/projects/view/284636

緊急事態宣言を受け、全面的に営業自粛せざるを得ない状況となった東京新木場のイベントホール「スタジオコースト」、クラブイベント「ageHa(アゲハ)」。固定費だけでも月3,000万円以上かかる現状と先の見えない自粛期間での厳しい経営状況を打破するため、クラウドファンディングに挑戦しました。1,000万円という大きな目標金額を設定したもののプロジェクト開始2日で達成。支援総額は200%超え、3,700人以上の支援者を集めました。

明るい未来を信じるメッセージ「WE BELIEVE OUR FUTURE」がプリントされた「Tシャツ」のリターンに3,000近くの人たちが支援しました。S~XLの4サイズを展開するほか、同じプリントが施された「ベビー服」も用意。一人だけでなく家族で支援することも可能なリターン品が印象的でした。

音楽を根絶やしにしないため、クラウドファンディングを活用しよう!

音楽提供店舗のクラウドファンディングは、お店のファンだけでなくお店に対する思いをもったアーティスト、関係者、そして事業者本人のファンを増やすことで、長期的に応援してもらえるメリットがあります。コロナ禍での店舗存続に向けた一時的な資金調達からクラウドファンディングを始めたとしても、上手く活用すればコロナ禍が終息した先の未来に繋がる大きな力となるでしょう。

日本最大級のクラウドファンディング「CAMPFIRE(キャンプファイヤー)」では、2021年5月現在「新型コロナウイルスサポートプログラム」を実施中。サービス手数料が通常12%のところ0%に、決済手数料5%のみでクラウドファンディングの利用が可能です。これまでたくさんの音楽関連プロジェクトが目標を達成しています。多くの実績と安心のシステムでサポートいたしますので、ぜひお気軽にご相談ください。

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阿部 裕華

取材好きなフリーライター/編集者。WEBメディア中心に編集・企画・進行管理(たまに撮影・デザイン)もやります。アニメ・コンテンツビジネス・映画・音楽(主にBUMP)が大好きです。

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