コラム

医療従事者に感謝とサラダを届ける、無償提供と配送で生まれた支援者との繋がり。 #crispconnect

2020年、これまで誰も経験をしたことがなかった「コロナ禍」の影響で多くの飲食店が多大なダメージを受けた。

誰も正解が見出だせない状況の中、全14店舗の通常営業を全て中止した上で医療機関へのサポートをはじめたのが日本発のカスタムサラダ専門店「CRISP SALAD WORKS(クリスプ・サラダワークス)」だ。

同店は、4月6日にクラウドファンディングプロジェクト「新型コロナウイルスと最前線で闘う医療従事者と病院勤務者にサラダを届けて支援したい」を立ち上げ、医療従事者へのサラダ無償配布を開始。

支援の輪は大きく広がり目標金額であった残すところあと4日となった現在は1333人/992万円にまで到達した。


今回、店舗としての通常営業を全て中止し、全ての活動を医療従事者への支援するに至った経緯を株式会社クリスプ代表の宮野浩史さんにお伺いしました。
*当インタビューは全てzoomによるビデオチャットでお伺いしております

 

CRISP SALAD WORKSが取り組む「レストラン体験の再定義」


ーまずはじめにCRISP SALAD WORKSについてお伺いさせてください。
はい、CRISP SALAD WORKSは美味しくて満足できるサラダを、一つひとつ手づくりで提供するカスタムサラダ専門のレストランです。

サラダって、どこか脇役のようなイメージがあると思っていて。

コンビニなどで買えるものも低糖質を謳っていたりとどこか我慢して食べるもののような扱いをされてしまっている。

「あのお店のサラダが食べたいから足を運ぼう!」ってあまりならないですよね。

でも、本来飲食店って「美味しいものをお腹いっぱい」食べられる場だと思うんです。

サラダを「好きだから食べる」という存在にするためにはどうすればいいかと考えた結果がカスタムサラダでした。

オーダーメイドよりもカジュアルに、味も量も一人ひとりの好みに寄り添ってカスタムできて主食として満足できるサラダを目指し続けています。

ーたしかにサラダはサイドメニューや健康食としてのイメージが強いので、”満足できる主食になる”ってうれしいですね。

ぼく自身もCRISP SALAD WORKのカスタムサラダが大好きなので、週に3回以上食べることもあります。

また、カスタムするのはメニューだけではなく、各スタッフの接客やサービススタイルにも共通しています。

CRISP SALAD WORKSでは「レストラン体験を再定義する」というミッションを掲げていて。

 

ー「レストラン体験を再定義する」とはどういった取り組みなのでしょうか。

飲食店は訪れた人の1日を”ちょっとだけ幸せにする力”があると思っていて。

1つの飲食店、1回の飲食で人生を変えることはできないかもしれません。

でも、仕事でイヤなことがあった一日だったとしても馴染みの店員さんとちょっと挨拶交わしておいしいものを食べたらスッキリしたりすることってあると思うんです。

スーツのお客さんが夜遅くに来店されたときに「遅くまでおつかれさまです」の一言があったり、それが例えば居酒屋だったら店員さんが1杯サービスで出してくれたりしたら、その心遣いで嬉しい気持ちになれるじゃないですか。

もし、全く同じ料理をコンビニで買って家で一人でテレビみながら食べてても同じ気持ちにはならないですよね。

栄養摂取だけではない体験の提供をできることが飲食店の価値だと思っています。

なので、スタッフ一人ひとりには常に「目の前のお客さんと”よき隣人”になろう」とお伝えし、日々どのようなレストラン体験をお客さんに提供できるか考え「レストラン体験を再定義」できるように取り組んでいます。

きっかけはニュースで見た医療従事者差別、サラダ無償提供開始の背景。

ー今回のクラウドファンディング挑戦に至ったきっかけについて教えてください。

今回の取り組みのきっかけになったのはテレビで見たニュースで医療従事者が差別される現状を目の当たりにしたことでした。

最前線で休みもなく働いてくださっている方に、なんとか「応援してる人いるよ!」って気持ちを伝えたいと思って。

今回のプロジェクトは、CRISP SALAD WORKSのサラダをいつも食べてくださってるファンの方に無償でいいから届けたいと思ったことがはじまりでした。

 

無償提供って思い切った取り組みですよね。スタッフさんはどのような反応をされていたのでしょうか?

そもそものCRISP SALAD WORKSが「いいと思ったらやってみよう」という社風なので、全体として乗り気でした。

「いいことはやってみよう、仮に1件しか連絡がなかったとしても、それで少しでも現場でがんばってくださってる医療従事者の方がCRISP SALAD WORKSのサラダで喜んでもらえたらそれでいいじゃないか」ということで。

ー宮野さんとスタッフさんの意識が一致していたのですね。どのようにはじめられたのでしょうか?

この企画を思いついてから実際に行動に起こすまでには時間はかかりませんでした。

CRISP SALAD WORKSでは、普段からアプリでの事前注文ができるようになっていて、アプリの登録者がすでに5万人以上いらっしゃったので。

なので、アプリを登録してくださってる方向けにメールをお送りしました。

「医療従事者の方でCRISP SALAD WORKSのサラダを食べたい方はご連絡ください、無償で提供します」と。

 

ークラウドファンディングをはじめる前に既に取り組みをはじめてらっしゃったんですね。

はい。常日頃意識しているように「よき隣人」としてできることをしようと。

すると、翌日には100件以上もの連絡が来て。

普段CRISP SALAD WORKSに足を運んでくださっていた医療従事者の方から本当に喜んでもらえました。

それと同時に「なにか手伝えることあれば声をかけてほしい」といった温かいメッセージも多く頂きました。

実際にはじめてみて実感したのですが、医療現場っていま本当に余裕がない状態で、店までサラダを取りに来るのも大変だったんです。

実際に足を運んでくださった医療従事者の方にも喜んでは頂けているものの、「難しいかもしれないけどもし届けてくれると本当に助かります…」といったお声を頂くこともあって。

CRISP SALAD WORKSのお客様の中で「応援したい」と言ってくださる方もいて「届けてほしい」と言っている人もいる。

だったらぼくたちCRISP SALAD WORKSがプラットフォームになり、その声を届けることが大切なのではないかと考えました。

そこで声をかけてくれたのが店舗のスタッフで、CAMPFIRE社の中の方と繋がっていたんです。

CRISP SALAD WORKSのコンセプトにCAMPFIREの理念が近いと思い、クラウドファンディングのプロジェクトを立ち上げました。

 

お金の関係で”成り立たせない”プロジェクトに

ー今回のプロジェクト設計にあたり、こだわった点について教えてください。

大量に料理を届けるだけなら大手企業でできるかもしれませんが、「よき隣人になる」という目標のもと、目の前の、手の届く範囲でCRISP SALAD WORKSだからこそできることを大切にしたいと思いました。

「どこから頂いたかわからないお弁当」ではなく「いつも食べてるCRISP SALAD WORKSのサラダが医療現場に届いた!」となっていただきたくて。

なので無償配送の先は希望された病院だけに絞っています。

 

ー支援する人にも受け取って頂く方にとっても「クリスプのサラダ」であることにこだわられたのですね。

はい。あと、今回の取り組みをスタートする際には、スタッフのみんなに「ぼくたちが一番損しよう!」と伝えました。

CRISP SALAD WORKSとして今回の取り組みは経済活動とは完全に切り離して考えています。

もともとぼくたちがやりたいと思ってはじめたことなので、今回のプロジェクトではカスタムサラダの原価も公開させて頂きました。

 

ー原価まで公開されたんですね…!なぜ「損をする」ことに徹底されたのでしょうか?

ぼくたちは「レストラン体験を再定義する」というミッションと共に、「熱狂的なファンをつくる」というコンセプトを掲げています。

クラウドファンディングに挑戦している上なので矛盾しているように聞こえるかもしれませんが、CRISP SALAD WORKSではお客さんとのつながりをお金の関係で成り立つものにしたくないんです。

 

ー「お金の関係で成り立たせない」というと、どういうことでしょうか?

これは、ぼくがCRISP SALAD WORKSを立ち上げる以前の体験で。

ぼくが最初に日本で立ち上げたのはメキシカンのファストカジュアル店でした。

留学していた頃に食べた現地のタコスやブリトーの味が忘れられなくて。

当時、そのお店ではスタンプカードを作っていたんです、「10回購入してくれたら1回無料で食べられます」というような。

で、そのお店には常連のアメリカ人の方がいたんです。

その方はずっとお店を利用してくださっていたので、もう何枚もスタンプカードが満タンだったはずなのに一度も使われることはありませんでした。

気になってある日聞いてみたんです、「なぜポイントを使わないのですか?」と。

すると「このお店のタコスは本当に美味しいから、溜まったスタンプカードはまだこの店に来たことがない友人にプレゼントしているよ」とおっしゃってくださって。

本当にうれしかったです、「熱狂的なファンの方だ」と。

でも、それと同時に反省しました。

「お客さん=お金を払ってくれる人」という認識でいたから金銭的なメリットでお返ししようとしてしまっていたんだなと。

無料クーポンではなく、名前を覚えてくれてたりだとか、ちょっとした言葉を貰えたりする方がファンの方にとっては大切なんだと考えました。

なので現在CRISP SALAD WORKSでは、「熱狂的なファンをつくる」という目標を掲げ、コネクト(繋がり)をキーワードに「クリスプコネクションズ」というキーワードの元、来店の回数に応じてただ色や材質が変わるだけのメンバーズカードをつくっています。

このカードが変化することで私達の関係の深さを実感して頂けるようになりたくて、
現在はメンバーズカードの機能もアプリ内に集約しています。

 

ー「熱狂的なファン」の方がいらっしゃったからこそ思えたことだったんですね。

はい。「熱狂的なファンをつくる」という目標のもと、お客さんとスタッフとの垣根を越えていきたいと思っています。

なので今回のCRISP CONNECTでは、CAMPFIREでのプロジェクトとは別に、支援以外にも今回の活動に協力してくださる方を募る「CRISP CONNECT」と名付けた特設サイトを用意しました。

 

「熱狂的なファンをつくる」CRISP CONNECTで生まれた支援者とスタッフのカウンターを越えた繋がり


https://connect.crisp.co.jp/

このサイトでは寄付も受け付けているのですが、有志の方に配送のボランティアも依頼していて、立候補してくださった方にはCRISP CONNECTのSlackに入って頂き、医療現場に直接サラダの配送をお願いしています。

ボランティアで参加してくださる方には店舗で作った配送用のサラダを医療現場に届けるお手伝いをしてもらっていて。

最初に無償配送を企画したときに「できることがあれば手伝うよ」と言ってくださった方たちをはじめ、CRISP CONNECTの活動を知ったことがきっかけで参加してくださった方もいて、現在では200名以上の方がSlackに参加してくださっています。

ー200人以上も…!すごい!実際の医療従事者の方の反応はいかがでしたか?

ある病院の婦長さんから頂いたコメントが印象的でした。

「最近は本当に現場が厳しい状況で、朝礼でも誰にも笑顔がない状態でした。そんな中クリスプサラダが届いたことをお知らせしたらみんなが笑顔になってくれて。久しぶりにみんなの笑顔を見ることができました」と。

今回の取り組みで、ファンの方とスタッフがカウンター越しの対面の関係ではなく、「医療従事者にサラダと感謝を届ける」という目的で同じ方向を向けたのではないかと思っています。

 

「よき隣人」として、優しさをおすそ分けできるように。

ー今回のプロジェクトを通して感じたことはありますか?

プロジェクトというより今回のコロナ禍で、人に提供できる価値を改めて考え直す機会になったと感じています。

飲食業界自体これからどうなっていくかわかりませんし、そもそもどんな判断が正しいのかもわかりません。

しかし、ぼくたちが掲げている「熱狂的なファンをつくる」「レストラン体験を再定義する」といったビジョンやミッションは、今回のCRISP CONNECTの活動を通じて改めてお伝えできたのではないかと思っています。

ーもしなにか、この記事やプロジェクトをご覧になって頂いている方にお伝えしたいことなどがあればお願いします。

今は、本当にみんなが大変なときだと思っています。

なので無理することはないのですが、もし優しさに少し余裕があったら身近な人に「よき隣人」として優しさをおすそ分けできたらいいのかなって。

そしてそれでもまだ心に余裕があったらぜひCRISP CONNECTを通してCRISP SALAD WORKSの活動にも関わってくださったらうれしいです。

 

ープロジェクトも残すところあとわずかとなりましたが、プロジェクト終了後も引き続き医療従事者への配送は続くと思います。

引き続き、応援させてください。

 

CRISP CONNECTプロジェクトの支援はこちらから

新型コロナウイルスと最前線で闘う医療従事者と病院勤務者にサラダを届けて支援したい
いま、世界中の多くの方が新型コロナウイルスの蔓延に苦しみ、また見えない不安を抱えている時だからこそ、私たちは最前線で働く医療従事者への支援がとても重要であると考えています。私たちにできる支援の一環として、最前線で新型コロナウイルスと闘う医療従事者・病院勤務者にサラダを無償で提供・配達します。

リバ邸

現代の駆け込み寺をコンセプトに全国に60棟以上展開するシェアハウス

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