コラム

【特集】秋田発!クラウドファンディングプロジェクト実施事例11選

秋田県でクラウドファンディングに挑戦しようとお考えの方に、参考となるようなプロジェクト事例を集めました。秋田県でどんなプロジェクトが立ち上げられ、どのようにPRしているのかを知ることで、成功の秘訣が見えてくるかもしれません。

CAMPFIRE厳選!秋田発のクラウドファンディング事例11選

ここでは、日本最大のクラウドファンディング「CAMPFIRE」で起案された秋田発のプロジェクトの中から、特に話題を呼んだ11プロジェクトをご紹介していきます。

東北で唯一の単館常設映画館「御成座」を救おう!プロジェクト

東北で唯一の単館常設映画館「御成座」を救おう!プロジェクト

秋田県大館市にある、東北で唯一の単館常設映画館「御成座」の存続をかけて立ち上げられたプロジェクト。起案したのは「御成座」を運営している切替さんです。

切替さんが御成座を借りたのは5年前。それが9年前に閉館した映画館だと知ったのは、御成座を借りてからのことでした。翌年には家族も呼び寄せ、御成座は復活・再開する運びに。本業が建設業だったこともあり、御成座経営の赤字は本業で補てんしつつ、老朽化する建物も自分たちで補修しながら、何とか今年5周年を迎えることができました。

東北で唯一の単館常設映画館「御成座」を救おう!プロジェクト_2

そんな折に舞い込んだのが、御成座の土地を売却する話。もし自分たちで買い取らなければ、建物を取り壊し更地にしなければならない事態になったのです。御成座を何とか残したいものの、自己資金では到底かなわないことから、クラウドファンディングで支援を募ることになりました。

御成座は、味わい深い手書きの絵看板がお客さんを出迎える、昭和の雰囲気が漂うレトロな映画館で、アイドル的な存在のうさぎの「てっぴー」のおうちでもあります。閉館後9年間放置されていた映画館を復活・再開させるにいたっては、切替さん家族だけでなく、復活を望む地域の人たちの多くの助けがありました。

再開後の御成座は、映画館としてだけでなく貸しスペースとしても運営。演劇や落語、ライブ、個人上映会など、たくさんの楽しいイベントにも活用され、まさに地域の人たちに愛される存在に。デジタル化が進み、映画館というアナログな場所が消えつつある昨今に、地域の人たちとともに在り続ける御成座の温もりや魅力は、多くのメディアでも度々取り上げられるほど話題を呼びました。

「古き良き映画館の魅力を後世に伝え続けていきたい」そんな思いは多くの賛同を呼び、プロジェクトは目標を超える多くの支援を獲得。御成座を愛する多くのファンや、活動に賛同する支援者の思いが1つの大きな力となって映画館を存続に導いた、クラウドファンディングの醍醐味を感じさせるプロジェクトでした。

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樽熟成で新しい日本酒を!東北の小さな酒蔵が、二度目の世界チャンピオンをめざす!

樽熟成で新しい日本酒を!東北の小さな酒蔵が、二度目の世界チャンピオンをめざす!

プロジェクトを起案したのは、秋田県の小さな酒蔵・金紋秋田酒造。世界最大級の酒類の品評会「インターナショナル・ワインチャレンジ(IWC)」のチャンピオンに輝いた、熟成日本酒「山吹」を生み出した酒蔵でもあります。

金紋秋田酒造は、前身となる秋田富士酒造から数えて創業80年ほどで、もともとは普通酒を生産するごく小さな蔵でした。「小さな蔵が生き残っていくためには何か個性が必要」そう考えたのが、三代目として蔵を引き継いだ佐々木孝さん。酒づくりの方向性に苦悩する中で出会ったのが「熟成酒」の存在でした。

他の酒にはない日本酒ならではの魅力は、何といっても原料となる米特有のグルタミン酸やアミノ酸といった豊富なうま味。熟成酒は、いわばそのうま味を熟成によって最大限に引き出した酒で、鎌倉~江戸時代には「古酒」と呼ばれ、高級酒として扱われていました。

その熟成酒づくりを独学で始め、試行錯誤の末完成させたのが「山吹」。米のうま味を軸に、ワインやウイスキーのような熟成の技術を取り入れることで、世界のどんな料理にも合う新しい熟成酒を誕生させたのです。

佐々木さんが、海外での販売も視野に入れ作り上げた山吹は、2009年のIWCチャンピオン受賞を皮切りに、2018年に至るまで6回にも及ぶIWC金賞を受賞。今や世界各国のミシュランレストランでも取り扱われ、高い評価を得ています。

金紋秋田酒造の看板商品として順風満帆に思えた「山吹」でしたが、一方で課題となっていたのが、日本での販売実績でした。先入観のない外国人とは違い、日本酒になじみのある日本人に対して、日本酒でもなく、伝統的な古酒とも違う新しい熟成酒の魅力を知ってもらうのは、想像以上に苦戦を強いられるものでした。

そんな折に、新たなターニングポイントとなったのが「樽」との出会い。「カスクフィニッシュ(樽での熟成)はやらないのか?」あるオーストラリアの輸入業者からの一言がきっかけでした。

樽熟成で新しい日本酒を!東北の小さな酒蔵が、二度目の世界チャンピオンをめざす!_2

早速試しにオーク樽で山吹を半年ほど寝かせたところ、出来栄えは予想をはるかに上回るおいしさ。熟成された米のうま味に樽の香りが広がり、和食にはもちろん、フレンチやイタリアンにもさらに合わせやすくなったのです。それは、日本酒でも熟成古酒でもない「ヴィンテージ・サケ」という新しいカテゴリーを創造できるような、手応えを秘めたものでした。

「もっといろんな樽でカスクフィニッシュを試してみたい」そんな思いから、今回のクラウドファンディングを起案。プロジェクトでは、IWC金賞を6度受賞している「山吹ゴールド」を、オーク樽・桜樽・栗樽の3種類の樽に仕込むことに。オーク樽ではウイスキーのような味わいの辛口、桜樽ではシャープな味わいの辛口、栗樽では芳醇でコクや厚みのある味わいに仕上がる予定です。

支援者へのリターンには、その記念すべきファーストロットを準備。10年物の熟成酒をベースに、最高20年物の熟成酒を数種類ブレンドしてつくりあげた山吹ゴールドが、カスクフィニッシュによりどのような覚醒を遂げるのか?プロジェクトには、大きな期待を込めた多くの支援が寄せられました。

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We Are AKITA!!『ブラウブリッツファンド』〜ぼくらが今できること〜

We Are AKITA!!『ブラウブリッツファンド』〜ぼくらが今できること〜

プロジェクトを立ち上げたのは、サッカーJ3クラブ「ブラウブリッツ秋田」に所属するサッカー選手・下澤悠太さん。ブラウブリッツ秋田は、1965年に創設された社会人チームTDKサッカー部が、北東北初のJリーグチームを作るべく2010年に発足させたチームです。

2014年にJ3リーグに参入後、2017年にはJ3リーグで優勝し、2019年に念願のJ2昇格のライセンスを取得。さらなる活躍を胸に日々活動する傍らで、地域のお祭りや清掃活動、老人介護施設への慰労訪問などの地域貢献活動も行っています。

コロナの影響で試合が延期になり、入場料やグッズ販売などの収入源を失っているブラウブリッツ秋田。今回のクラウドファンディング「ブラウブリッツファンド」は、クラブの存続と、同じくコロナの打撃を受けたスポンサー企業の支援のために、選手たち自身が立ち上げたプロジェクトです。

We Are AKITA!!『ブラウブリッツファンド』〜ぼくらが今できること〜_2

支援者へのリターンには、選手着用のスパイクやキーパーグローブの提供だけでなく、オンラインで選手と会話ができる権利など、ファンやサポーターに喜んでもらえるものを考案。そのほかにも、コロナの影響で打撃を受けた、飲食をはじめとするスポンサー企業の商品も準備しました。

クラブ存続やスポンサー企業の支援のためのファンドである一方で、試合再開を待ち望むファンやサポーターにも喜んでもらいたい。選手たちのそんな思いが多くのファンの心をつかみ、プロジェクトは目標を超える多くの支援を獲得しました。

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秋田名物を守りたい。三代伝承の進藤冷菓「ババヘラアイス」を食べて応援。

秋田名物を守りたい。三代伝承の進藤冷菓「ババヘラアイス」を食べて応援。

プロジェクトを起案したのは、昭和28年より続く「ババヘラアイス」の三代目を継承している、有限会社進藤冷菓代表・進藤博永さん。

ババヘラアイスとは、いちごやバナナがまだ高級品だった時代に、その風味や香りを楽しんでもらおうと作られた、黄色と赤の2色が特徴のシャーベット状の氷菓。秋田県男鹿市(旧若美町)周辺でのみ製造されている、ご当地アイスです。アイスと同じ2色のパラソルの下で、売り子のおばあさんがその場でコーンに盛り付けて販売する露店販売のスタイルは、秋田名物として今もなお親しまれています。

秋田名物を守りたい。三代伝承の進藤冷菓「ババヘラアイス」を食べて応援。_2

ババヘラの「ババ」は、秋田で使われているおばあさんの愛称。売り子である「ババ」が、銀色の「ヘラ」で盛り付けるというスタイルから、地元の学生たちから「ババヘラ」と呼ばれるようになったことが、ババヘラアイスの名前の始まりです。

男鹿市内でババヘラアイスを作る会社がいくつか存在する中、2002年、進藤冷菓は自社のババヘラの商標を取得。さらに2006年に、黄色にピンクの差し色が入ったエプロンを着けた、売り子さんのキャラクターを商標登録し、ババヘラのブランド化に乗り出しました。2004~2006年にかけては、東京・横浜・大阪などで開催された、全国のアイスが集まるアイスクリームイベントに参加。当時一部売り子さんがやっていたお花の形の「バラ盛り」で販売したのをきっかけに、進藤冷菓ブランドのババヘラは、2色のバラ盛りのアイスとして全国に知られることとなりました。

しかしながら、全国流通の大手アイスクリームメーカーが、次々に新しい商品を発売する現代において、小規模で販売するローカルアイスのマーケットは年々先細る一方。加えて昨今のコロナ禍のイベント縮小で、ババヘラアイスを出店する機会も激減していましました。

そんな中、なんとかババヘラアイスの文化を継承していきたいと、全国流通に向けたカップアイスや新規需要を求めたババヘラソフト、ご当地食材での新たなフレーバー開発に乗り出した進藤冷菓。それらを全国の方に食べてもらいたいと、今回のクラウドファンディングが起案されました。

支援者へのリターンには、通常のババヘラアイスに加え、2021年に発売し県内スーパーで完売続出となった「プレミアムババヘラ」も数量限定で復刻。プレミアムババヘラは、男鹿市で栽培される希少な「若美メロン」の果汁果肉を使用し、内側は赤肉メロン、外側は青肉メロンを使い分けてバラ盛りにしたカップです。

秋田名物のババヘラアイスの継承を応援できて、魅力的なリターンも獲得できるプロジェクトに、目標を上回る多くの支援が集まりました。

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マルヒコビルヂングから始まる能代ににぎわいを作るプロジェクト

マルヒコビルヂングから始まる能代に賑わいを作るプロジェクト

秋田県能代市で廃業した店舗ビルを、まちににぎわいを作る拠点となるような複合施設にリノベーションしようという試み。プロジェクトを起案したのは「のしろ家守舎」。シャッター通りになってしまった能代の商店街ににぎわいを取り戻すべく、能代市でそれぞれに会社を経営する4人が中心となって作ったまちづくり会社です。

マルヒコビルヂングから始まる能代に賑わいを作るプロジェクト_2

彼らが活動を始めるきっかけとなったのが、2019年秋田県が主催した「動き出す商店街プロジェクト」。各分野一流の講師を招き、地域を盛り上げている実例からエリアリノベーションについてを学ぶイベントでした。

最初は「勉強会に参加する」という受け身の気持ちでいたメンバーでしたが、地元の課題を掘り起こしていくうちに、自分たちが動かなければ先に進めないという使命感が芽生えたのだそう。彼らが特に重要だと考えた課題は、街中に、小さな子どもを連れてゆっくりと過ごせる場所がないこと、子育てをしながら働ける環境がほとんどないことでした。

能代市の問題事解決に向けて少しずつ行動していこうと考えていたタイミングで、2018年に惜しまれながら閉店した酒屋「丸彦商店」のビルを貸してもらえることに。そこで彼らは、ビルを街のにぎわいの拠点とするべく「マルヒコビルヂング」と命名し、のしろ家守舎の立ち上げとともにビルのリノベーションに取り掛かりました。事業支援・コミュニティづくり・創業支援・子育て支援の4つを軸に、能代の街中に足りなかった「もの」や「こと」を詰め込んだ複合施設を作るプロジェクトです。

まずは第1弾として、ビルの2階にコワーキングスペース「Co-motomachi」をオープンし、オフィス事業に着手。さまざまな人が行き交う中で、新しい仕事を生み出す仕組みを作りました。今後は、事業者を街に呼び込む事業支援を行っていく構え。そして今回立ち上げたクラウドファンディングでは、1階のメインコンテンツでもある「こどもの遊び場」と、地下のDIYの学校「KILTA能代」の整備資金を募る計画です。

こどもの遊び場は、時代とともに見られなくなった、放課後の子どもたちの遊び場を取り戻していこうという試み。カフェも併設して、子どもたちがいない午前中から夕方にかけての時間帯は、小さなお子さん連れのママたちに利用してもらう計画です。カフェは、将来的には飲食店をやってみたい人に向けた「チャレンジキッチン事業」としての展望も持っています。

一方、地下に整備予定の「KILTA能代」は、DIYの学校のような場所。KILTAとは、現在全国に10拠点整備されている、空間づくりを実践から学べるコミュニティ=街の学校です。単にDIYで家具などを作るだけでなく、街のさまざまな職人たちを講師に招き、壁を塗ったり、床を貼ったりなどの、プロの技術が学べる場。ここで学んだ技術を使って、空き店舗に自分たちでお店を作っていける人を増やしていくのが今後の展望です。

このように、さまざまな将来的展望を秘めたのしろ家守舎のプロジェクト。「街の問題ごとを「他人ごと」ではなく「自分のこと」として考えていくことで街は変わっていく。何かしらの形でこの活動に参加してほしい」そんな呼びかけが支援者の心をつかみ、目標を大きく上回る支援が集まりました。

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【東北・秋田発】秋田食材を濃縮した果物エキスを全国に届けるために加工場を作りたい

【東北・秋田発】秋田食材を濃縮した果物エキスを全国に届けるために加工場を作りたい

プロジェクトを起案したのは、株式会社hinataの須﨑裕さん。2021年春に、秋田県・田沢湖でスムージーとポタージュのテイクアウト専門店「ひなたエキス」をオープンしました。スムージーとポタージュの素となっている、自家製の果物エキスと野菜のペーストを販売しようというのが、今回のプロジェクトです。

ひなたエキスをオープンするきっかけとなったのが、秋田のとある農家との出会い。観光事業をやっていた須﨑さんが、外国のお客さんを秋田や東北に案内していたときのことでした。もともと料理や自然体験に興味があった須﨑さんは、農家の畑に何度も足を運び、農作業の手伝いをするように。そのときに食べたもぎたての果物の“甘さ”と“みずみずしさ”は、今までに経験したことがない衝撃のおいしさでした。

【東北・秋田発】秋田食材を濃縮した果物エキスを全国に届けるために加工場を作りたい_2

この感動を多くの人に体験してもらいたいと、自然豊かな田沢湖でオープンしたのが、ひなたエキスです。ひなたエキスでは、秋田県産の食材そのものの味と新鮮さを生かしたスムージーとポタージュを提供。それらの味の要となっているのが、今回商品化を目指す自家製の果物エキスと野菜のペーストです。それはひなたエキスに訪れるお客さんたちの、かねてのリクエストでもありました。

ひなたエキスが作る果物エキスと野菜ペーストのこだわりは3つ。

・新鮮でうま味の詰まった秋田県産の食材を、近隣農家から直接仕入れる
・人工甘味料や添加物は一切使わず、素材そのままの味をお届けする
・規格外の食材も取り入れ、食品ロス問題に貢献する

今回のクラウドファンディングで集まった支援金は、果物エキスと野菜ペーストの加工場建設費用に充てられる計画で、商品化に向けた生産体制を本格的に整える構えです。支援者へのリターンには、商品化される果物エキスや野菜ペーストをはじめ、それらを使ったスムージーやポタージュを作るキットも準備。食材の味を試してみたくなるような魅力的なリターンが準備されたプロジェクトは、目標の倍以上の支援を集めました。

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日本で最も美しい村に五感で体験できるサウナパークをみんなで作りたい!in 秋田

日本で最も美しい村に五感で体験できるサウナパークをみんなで作りたい!in 秋田

自然豊かな秋田県東成瀬村で、アウトドアサウナが楽しめるサウナパークを作ろうというプロジェクト。起案者は「井戸端サウナ」というアウトドアサウナを運営している、奈良悠生さんです。

きっかけは、奈良さんが軽トラサウナを借りて、アウトドアサウナを体験したことに始まります。それまでは、サウナを利用することもほとんどなかったという奈良さんでしたが、初めての体験で「本能が呼び覚まされるような感覚」を覚えたそうです。大自然の中、身一つで体感するアウトドアサウナは、今までに経験してきたどのアウトドアアクティビティよりも、五感で自然を感じることができるものでした。

これを多くの人に体験してほしいと仲間うちで話を進めているうちに、東成瀬村でサウナパークを作ろうという計画が浮上。今回のクラウドファンディングは、その計画の第1弾として軽トラサウナを作ろうと立ち上げられたものです。軽トラサウナが完成した後は、それをのせるカーポートの作成、そして将来的には、キャンプを含む宿泊施設や飲食スペースなどを作っていく展望です。

サウナパークを作ろうとしている東成瀬村は、全国で54カ所ある「日本で最も美しい村」に認定されるほどの美しい村。村の93.1%が山林という美しい自然の風景は、手つかずが故に認知度が低いというデメリットもありました。年々深刻化する人口減少と高齢化で、この美しい自然を伝えていく担い手も減る一方。「何とかこの村のすばらしさを多くの人に伝えたい」サウナパークを東成瀬村に作ろうと思ったのには、そんな思いもあります。

日本で最も美しい村に五感で体験できるサウナパークをみんなで作りたい!in 秋田_2

今回のプロジェクトでは、クラウドファンディングで資金の支援を募る一方で、サウナパークを一緒に作っていく仲間も募集。募集期間2週間という短いスパンで立ち上げられたプロジェクトでしたが、ウィズコロナで癒やしを求める現代のニーズにもぴったりとマッチした企画に、目標を上回る多くの支援が集まりました。

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秋田の漬け物『いぶりがっこ』を広めたい!秋田いぶりがっこ協同組合の挑戦

秋田の漬け物『いぶりがっこ』を広めたい!秋田いぶりがっこ協同組合の挑戦

秋田の漬物「いぶりがっこ」の魅力を全国の人に知ってもらおうという、秋田いぶりがっこ協同組合によるプロジェクトです。

一般家庭に冷蔵庫が普及する以前、雪国秋田では、食料が不足する厳冬期を乗り切るために、塩やみそ、しょうゆなどで食料を漬ける漬物文化(発酵食文化)が発達しました。一般的な漬物の代表というと、天日干しにした大根を漬ける「たくあん」がありますが、日照時間が少ない秋田の冬では、大根を十分に干すことができません。そこで考えられたのが、家庭のいろりの上でだいこんを吊るし、燻すことで乾燥させた大根を漬物にする方法。これが「いぶりがっこ」の始まりです。「いぶり」は、燻すという意味。「がっこ」は秋田の方言で、漬物を意味します。

秋田の漬け物『いぶりがっこ』を広めたい!秋田いぶりがっこ協同組合の挑戦_2

いぶりがっこは、楢や桜の木で燻し独特の香ばしい香りをまとった大根を、米ぬかに漬け込む製法。かつては家庭の郷土料理でしたが、現在はさまざまな生産会社が先人の製法と伝統の味を守りながら、その味を伝えています。同じ製造工程でも、大根の種類、燻し具合や漬け方、漬ける環境といった、作り手の細かなこだわりによって味に違いが生まれるのが、いぶりがっこの奥深い魅力でもあります。

いぶりがっこの他にはない独特な風味は、秋田以外にも根強いファンがいるものの、独特がゆえに食べてみようと思うにはハードルが高い印象。宣伝力不足もあり、全国的にはまだまだ満足のいく認知度が得られていない現状です。「シンプルなようで奥が深い」そんな、いぶりがっこの魅力を全国の人にもっと知ってもらいたい。そんな思いで立ち上げられたのが、今回のクラウドファンディングプロジェクトです。

支援者へのリターンにはさまざまな生産会社のいぶりがっこを種類豊富に準備。集まった支援金は、いぶりがっこの宣伝費用に充てられる計画です。秋田いぶりがっこ協同組合の思いがいっぱいに詰まったプロジェクトは、公開から約2週間で目標金額30万円を達成。最終的には、ネクストゴールの50万円を上回る多くの支援を獲得しました。

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燻しと板金加工のプロが手を組んだ本格燻製器!お家やキャンプで非日常が楽しめる!

燻しと板金加工のプロが手を組んだ本格燻製器!お家やキャンプで非日常が楽しめる!

秋田県湯沢市に精密板金加工・金属焼付塗装の2つの自社工場を持つショップ「ONE・D・ON(ワンドオン)」が立ち上げたプロジェクト。

ONE・D・ONでは、個人による小ロットオーダーにも対応する、金属加工制作のウェブ受注サービスを行っています。生産ラインが確立されている大量生産工場とは違い、年間実に5万種類にものぼる部品が日々製造されている自社工場。そういった生産体制だからこそできる多品種少量生産が、ONE・D・ONの強みです。「唯一無二(ONE AND ONLY)の商品を提供したい」ショップ名のONE・D・ONには、そんな思いが込められています。

また、オーダー製作の一方で力を入れているのが、消費者のニーズに応える商品開発。コロナ禍で自粛を強いられている昨今に、何か楽しめるものをと開発されたのが、今回のクラウドファンディングで先行販売される小型燻製器「燻CUBE」。外食の楽しみが減る中、おうちごはんでも少し非日常的なものを手軽に楽しんでもらおうと、開発されたプロダクトです。

もともと、いぶりがっこを製造している企業に向けた、業務用燻製器の設計・製作の経験を持つ自社工場。燻CUBEは、その業務用燻製器を家庭やキャンプでも使えるように小型化したもので、燻製のプロであるいぶりがっこ製造社の知識と、ONE・D・ONの金属加工技術がぎゅっと詰め込まれた逸品です。その特徴は、

・80度以上の高温で数十分ほど燻す「熱燻」と、30~60度の煙で数時間かけて燻す「温燻」の両方ができる
・見た目にもかわいらしいキューブ型のデザインで、ガスコンロにも安定して設置できる
・レーザー加工技術を生かし、燻製器に好きな文字の切り抜き加工を実施。切り抜き部分は調節可能な空気口として利用
・初心者の方でも簡単に始められるシンプル構造で、燻製のやり方についての説明書も添付
・スモーク用の温度計とグリル網を付属

燻しと板金加工のプロが手を組んだ本格燻製器!お家やキャンプで非日常が楽しめる!_2

今回のプロジェクトのリターンには、この燻CUBEをお得な先行販売価格で準備しているほか、自社人気商品のステンレスネームプレートや、おいしいお肉が焼けるソロ鉄板などを準備。プロジェクトには目標を大きく上回る支援が集まり、ONE・D・ONのサービスや金属加工技術を多くの人に知ってもらうきっかけにもなりました。

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「どぶろく吊り搾り」を開発し秋田県横手市山内のどぶろく文化承継を応援したい件

「どぶろく吊り搾り」を開発し秋田県横手市山内のどぶろく文化承継を応援したい

秋田県横手市山内で消滅の危機にあった、濁酒(どぶろく)文化を継承しようと立ち上げられたプロジェクト。プロジェクトを立ち上げたのは、酒蔵・人・地域をつなぐ企画を通して、地域に根差した全国の伝統文化を承継・進化させるお手伝いをしている「NOMUZO.STYLE」。モノ・コト・ヒトのつながりから新しい価値や経済の流れを生んでいくのが、彼らの活動の目的です。

岩手県との山深い県境に位置する秋田県横手市山内は、かつて林業がとても栄えた土地。林業を営む山男たちは古来より、仕事終わりの楽しみにひそかに濁酒を醸していました。しかし時代の流れとともに林業が衰退。それに比例するかのように濁酒文化も徐々に衰退し、2020年には、濁酒を醸せるのが85歳の技術者たった1人になってしまいました。

濁酒文化の消滅を危惧し、それを何とか継承しようと山内の若者5人が立ち上げたのが「山内濁酒プロジェクト」です。やがて2021年1月には「濁酒特区」の認定も受け、濁酒製造会社「さんない四季彩館」を設立する運びとなりました。

NOMUZO.STYLEは、さんない四季彩館の活動に賛同し、彼らとコラボした「kizashi」ブランドの商品開発や販売を開始。現在は、今年3月に発売した「kizashiどぶろく」を進化させた、吊って絞れる“体験型の濁酒”の開発に着手しています。

試行錯誤を重ねなんとか「プロトタイプ」をつくるまでに至った今回、開発継続の先行投資資金を募り、今回のクラウドファンディングプロジェクトを起案。この「プロトタイプ」をクラウドファンディングで購入・濁酒の吊り絞り体験をしていただき、集まった資金と感想を元に、商品開発と製造の両立を目指していく計画です。さらに、濁酒を吊るす木のフレームには、秋田県横手市山内の杉を使用し、衰退している地域林業への貢献も図ります。

吊るして絞る濁酒は、時間の経過とともに色や味が変わるのが魅力。最初は白濁した一番搾り、その後徐々に透明になり、最後に布に残った酒かすを絞りきると濃厚な酒が現れます。数回に取り分けた酒を、自分好みにブレンドするのも吊り絞りの楽しみ方。残った酒かすも、お料理などで余すことなく活用できます。

「どぶろく吊り搾り」を開発し秋田県横手市山内のどぶろく文化承継を応援したい件_3

まだ開発途中ということで、50セット限定で立ち上げられた今回のクラウドファンディングプロジェクトでしたが、吊り絞りの濁酒の魅力は多くの支援者の関心を集め、目標の倍以上の支援を集める大成功を収めました。

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少子高齢化の農村 「先人の知恵」のとびっきり美味しいお米を全国に届けたい

少子高齢化の農村 「先人の知恵」のとびっきり美味しいお米を全国に届けたい

秋田県東成瀬村の高齢者施設で働く職員や施設に通う高齢者の方々で作ったお米を、全国に届けようというプロジェクト。起案したのは、高齢者施設を運営する株式会社「風鈴」代表の佐藤一人さんです。

東成瀬村では、65歳以上の人口比率が40%と高齢化が進んでいて、特に主力産業でもある農業の従事者においては、90%以上が50歳以上、さらに60歳以上は60%を占めるといった深刻な状況。事業を継承する担い手も少なく、廃業する農家も多いのが現状です。

このような課題の解決に向けて、風鈴では「農福連携」という新しい試みを行っています。施設に通うまだ元気な高齢者たちと一緒に、米作りをする活動です。

少子高齢化の農村 「先人の知恵」のとびっきり美味しいお米を全国に届けたい_2

将来的にますます高齢化が進むと予想される、地方の農村部。地域の人的資源である「高齢者」とともに、産業資源である「農業」を盛り上げていくというモデルは、全国どのエリアでも今後需要が高まっていくポテンシャルを持っていると、風鈴は考えています。そして何よりも、体を動かして働くことで、高齢者の健康や生きがいが維持できるのは、とても大きなメリットです。

農福連携においては「障がい者による農業との連携」は日本各所で増えつつあるものの、風鈴のように高齢者と農業を連携させるスタイルはまだまだ前例が少ないのだそう。今回のクラウドファンディングには、今後の活動資金を募る目的と同時に、農福連携の新しいスタイルを、多くの人に知ってもらおうという狙いがあります。

風鈴が作る自慢のお米は、“先人の知恵”とされる昔ながらの「天日干し」にこだわったお米。自然の中で手間暇かけてじっくりと乾燥させたお米は、一粒一粒にうま味が凝縮され、炊いたときの香りと艶も格別です。東成瀬村の品評会において、平成29年・30年と連続で1位を受賞するほどの出来栄え。機械乾燥されたお米が流通のほとんどを占める中、天日干しされたお米はとても貴重な存在です。

このおいしいお米を食べてもらうことで「老いのはかなさ・悲しさ」を抱える高齢者と、「介護のたいへんさ・むずかしさ」を抱える介護職の方々に元気になってもらいたい。プロジェクトにはそんな思いも込められています。

少子高齢化や農家の担い手不足の問題を抱える現代に、新しい“希望の形”を提案するような今回のプロジェクトに、とても多くの支援が寄せられました。

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秋田でクラウドファンディングを立ち上げるならCAMPFIREで!

ご覧いただいたようにCAMPFIREでは、秋田県から多くのクラウドファンディングが起案され、成功を収めています。

CAMPFIREは、プロジェクトの起案から実施に至るまでそれぞれの担当スタッフが手厚くサポートしてくれるので、初めての方でも安心。また、サイトには、日々多くの支援者がプロジェクト検索に訪れているというメリットもあります。「クラウドファンディングを始めたいけど何からやればいいのか分からない」そんな方は、ぜひ一度CAMPFIREのサイトをチェックしてみましょう。

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