コラム

次世代の持ち運びプリンタ、「PrinCube」使用レビュー


インターネットがどんなに進化しても、“印刷”が必要な場面は未だにたくさんありますよね。皆さんにも経験はありませんか?封筒の裏に会社名を記載する場面や、ノベルティとしてコースターにサービス名などのロゴをプリントして独自性をちょっと足したいと考えたことが。

今回はこうした「小さな印刷」を可能にする、持ち運び型プリンタ「PrinCube」を実際に使ったレポート形式でご紹介!!小さいからと言って、侮るなかれ。その性能や使いやすさを徹底的にチェックして、アイディア次第で面白い使い方ができることをご案内します。

PrinCubeとは?

PrinCube」は1万円少々という低価格で「どこでもどんなものにでも印刷を可能に」する持ち運びできる手のひらサイズのプリンタです。印刷対象は紙は勿論、木板、金属、プラスチックなどさまざまな素材にも印刷可能とのこと。アイディア次第で様々な使い方が期待できそうですね。インクもカートリッジ製で$29~(約3000円〜)と常識的な金額で利用可能なレベルで抑えられています。現在、クラウドファンディング「CAMPFIRE」からも購入可能なので、ぜひチェックしてみて下さい。

使うための準備

まずは「PrinCube」を充電するところから開始します。付属のUSB Type-Cケーブルで充電ができますので、急速充電が可能です。これは体感イメージですが、空の状態でも15分も充電すれば、すぐに利用可能なようです。
(電源ケーブルは付属しますが、コンセントに挿すアダプタは付属していません)

続いて、本体の裏にある「ON/OFF」スイッチからつまみをONにして電源を入れます。「PrinCube」は2020年1月時点では、特別な専用アプリを必要とせず、スマホまたは、PCなどのWi-Fi接続が可能な端末があれば利用可能です。

本体電源をONにすることで「PrinCube」に内蔵されているWi-Fiが起動し、スマホやPCと本体をWi-Fi接続してブラウザから操作します。恐らく、これはまだサービスが開始直後の現時点の仕様だと思いますので、今後改善が期待されていく部分です。正直、最初はそのWi-Fi接続とIPアドレスの直打ち入力での使用方法に戸惑いがありますが、慣れれば問題は無い範囲かと思います。

(ブラウザ上にIPアドレスを直打ちして操作します)

実際の利用画面です。尚、今回スマホとPCの両方で作業をしてみましたが、圧倒的にPCからの作業のほうが簡単でした。

実際に印刷する

PrinCube」とPCなどのWi-Fi接続が完了し、ブラウザで参照できるようになったら右上「+NEW」から画像をアップロードして印刷を開始します。この手順は参照先のファイルをセレクトする一般的な部分ですので、どなたでも利用可能かと思います。今回はCAMPFIREのロゴをお借りして印刷してみたいと思います!「+NEW」を押下すると下記の画面になります。

(キャンバスのような下の空間がアップロードした画像の参照範囲です)

ここから右上の「ADD IMAGE」をセレクトして、CAMPFIREのロゴ(今回はPNGデータ)をアップロードします。

実際に印刷する

「PrinCube」とPCなどのWi-Fi接続が完了し、ブラウザで参照できるようになったら右上「+NEW」から画像をアップロードして印刷を開始します。この手順は参照先のファイルをセレクトする一般的な部分ですので、どなたでも利用可能かと思います。今回はCAMPFIREのロゴをお借りして印刷してみたいと思います!「+NEW」を押下すると下記の画面になります。

(今回はCAMPFIREのロゴを印刷してみます)

アップロードした画像をシンプルに印刷することを想定して、一度「SAVE」で保存をしながら、「PRINT PREVIEW」を押して印刷範囲を確認してみましょう!

印刷範囲が自動で定義された結果、このような範囲で出てきます。最初、なんのこっちゃ?と思いますよね。実はこのまま印刷するとグレーアウトされた部分は印刷対象外になりますので、印刷範囲を修正する必要があります。ここで書くと細かいのですが、この印刷範囲の調整はスマホでは恐らく挫折すると思います。(自分自身も、最初はスマホで実践して印刷できずに失敗して終わりました)改めて、PCと接続して印刷範囲の四角を定義することで対応しました。

(少し余白をもってこの程度でしょうか?)

ここまで完了したら、「PRINT」をすることで、「PrinCube」にデータが転送されて印刷可能になります。右上に、本体への転送のステータスが記載されて「Successed」と表示されて「PrinCube」本体側のボタンを押下することで、印刷準備が完了です。今回は紙の上にグッと抑えて右にずらしながら印刷していきます。

この時、印刷するヘッド脇にはローラーが付いていますので、ヘッドの印刷とプリントのスピードはリンクしています。ですので、横にずらすスピードなどには、そこまでの難しさは感じないと思います。

(実際に、何度か試し刷りを行ってから印刷する方が無難なようです。)

そして、ある程度練習してから上手くいくようになったのを確認して、いざ本番!紙の中央に印刷して出してみました。

(なんとか上手くできたでしょうか?)

印刷するまでに、少し戸惑う部分や機材そのものへの習熟は必要ですが、なれると同じ柄なら連続して何個も印刷できそうですね!

改善ポイント

ポテンシャルは高いと感じる一方で、現時点ではいくつかのポイントが気になります。

 1. 発展途上な箇所
 2. 色の再現性
 3. 練習が必要

これら3点は、もう少し改善ポイントとして頑張れる気がします。

1. 発展途上な箇所
実際に利用した感想としてのコメントでも書かせていただきましたが、印刷範囲の設定や大きさの自動調整などの部分はデモ機段階では少し使いづらい印象でした。でも、これは現在の先行販売としての位置付けのクラウドファンディングガジェットですので、今後一定の需要が見込まれるのであれば、確実に専用アプリなどができてきますので、改善されていくと思います。

2. 色の再現性
これはプリンタとしての宿命ですが、ヘッド(印刷する部分)と転写面(印刷する素材)の相性がまずありますし、様々な素材への転写を想定している「PrinCube」には不利な部分です。また、実際に利用してみて筆圧のような手の抑える力も影響してきます。欲を言えば、その部分のインクが混ざらないようなプリントのやり方が出来れば尚素晴らしい商品になると思います。

3. 練習が必要
全ての道具に共通することですが、練習しなければ利用することができません。実際、自分もこちらの印刷を完了するまでに、試しに何度も印刷をしながら調整しました。ただし、通常のプリンタは習熟を必要としないものが殆どですので、その点、少しだけ戸惑いがあるかも知れません。

使うとしたら!のアイディア

今回、実際に手にとって利用してみて上記に指摘させていただいたような難しい部分もありましたが、同じくらい楽しい部分もありました。そして、個人的には「PrinCube」が実現しようとしている世界観やアイディアはとてもおもしろく、下記の使い方などは皆さんの生活やビジネスにも価値があるのでは!と思いました。ザクッと簡単にこの「PrinCube」の本質を2つにまとめると、、、

・同じものを何度も印刷する「スタンプ」として
・大量ロットを作る手間が掛けられない「印刷物の3Dプリンタ」的な位置付けとして

の利用に本質的な価値があると思います。それぞれの方法で、面白い使い方を考えてみましたが、如何でしょうか?

1. 敢えて白紙のカードを名刺として利用する
自分の名前とサービス名などを「PrinCube」に登録しておいて、さっとその場で名刺を印刷すれば、今まで以上に覚えてもらえることは請け合いです。また、その場で追加の情報(例えば、お会いした日付など)も名刺にさっとプリントできるのであれば、とても面白い名刺交換ができると思います。また、紙だけでなく木片なども名刺に変えられるので、そうした用途で利用するのは如何でしょうか?

2. PCに貼るステッカー代わりに
インクを油性のものに変更すれば、金属にも印刷が可能になるのでMacBookなどのアルミ部分にステッカーを貼る代わりに、「PrinCube」で自社サービスなどを印刷すると、おしゃれにに仕上げられるかも知れません。特に大量に印刷しないとコストが下がりにくい、ステッカーなどのノベルティのテストマーケティング的な使い方が良さそうですね!また、それと同様に、会社の備品などにも管理者情報としてのロゴマークを入れると良いかも知れませんね!

ぜひ、気になった方は「CAMPFIRE」から「PrinCube」を手にとって、色々なアイディアを形にしてみて下さいね!最後までお読みいいただきありがとうございました。

PrinCube - 世界最小のモバイルカラープリンター日本上陸!
PrinCubeは、今までにないコンパクトで持ち運び可能なポータブルプリンターです。超軽量で手のひらに収まるサイズ。いつでもどこでも素早くきれいなカラー印刷をお楽しみ頂けます。テキスト、画像、デザインをスマートフォンからWi-Fiを介してPrinCubeへ送り、ボタンを押すだけの簡単操作。それだけで、事実上あらゆるものへすぐにプリントできます。世界で最も便利でコンパクトなプリンタです。

新井勇作

福業フォトグラファーのONE PHOTO代表/コラム「カメラとわたし」編集長/プロカメラマンとコンサルタントのDUAL WORKer。取材や機材レビューを中心にWEBメディアで執筆。その他、プロカメラマンとして企業案件を多く撮影。CMやデザインなどのクリエイティブが大好きです。

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