インタビュー

TENGAがロケットで宇宙を目指す!?「TENGA宇宙隊員募集」プロジェクトに迫る

TENGAがロケットで宇宙を目指す!?「TENGA宇宙隊員募集」プロジェクトに迫る

2020年7月に15周年を迎えた「セクシャルウェルネスグッズ」の開発・製造・販売を行うメーカー企業、株式会社TENGA。そんな同社が2021年夏頃、宇宙へ「TENGAロケット」の打ち上げを目指すと発表。そして、TENGAロケットの打ち上げ実施に伴い、クラウドファンディングにて資金調達と「TENGA宇宙隊員」の募集をスタートした。

本プロジェクトの裏側に迫るべく、プロジェクトの進行を務める株式会社TENGA プロジェクト推進室の山口卓也さんに話しを伺った。

プロジェクトデータ
  • プロジェクト名
    TENGAロケットを一緒に宇宙へ飛ばそう!「TENGA宇宙隊員募集」!
  • プロジェクト目的
    TENGAロケット打ち上げ準備費用の調達、TENGAのブランドメッセージ認知拡大
  • 募集期間
    2021年2月1日~4月21日
  • 調達金額
    1,112,980円
  • パトロン数
    115人
  • ※2021年4月8日時点

TENGAがなぜ、宇宙を目指すのか

ミッションに「世界中の人々の性生活を豊かにし、人を幸せにする」、ビジョンに「性を表通りに、誰もが楽しめるものに変えていく」を掲げ、2005年から事業を展開してきたTENGA。現在は69の国と地域にセクシャルウェルネスグッズを届けている。2020年に15周年を迎えた同社は、ロケット開発企業・インターステラテクノロジズ株式会社(以下、IST)と協力し、TENGAロケットの打ち上げを目指すと発表した。

TENGAの代表である松本光一さんとISTのファウンダーである堀江貴文さんがテレビ番組で共演したことがTENGAロケットプロジェクト発足のキッカケだ。ISTの「誰もが宇宙に手が届く未来をつくる」というビジョンとTENGAのビジョン、モノづくりに対するこだわりが通底したという。TENGAが長年提案してきた“性”に対するイメージを変えていきたいという思いがより一層強まったのだ。

「宇宙を目指すことでTENGAの目指す未来・企業理念などを多くの人たちに伝えられるのではないかと思いました。このプロジェクトを通して、ブランドメッセージ『愛と自由とTENGA』の“愛と自由”を広め、セクシャルウェルネスグッズに対するイメージをポジティブなものへ醸成したいという考えが強くありました」

クラウドファンディングで意思を伝え、仲間を増やす

TENGA ROCKET PROJECTには、以下3つのミッションが掲げられた。

区切り線

■ミッション①|1000人の想い。愛と自由の叫びを宇宙へ
1000人を目標にみなさまからの想いや願いを集め、寄せ書きにして宇宙へ届けます。寄せ書きはTENGA型メッセージPODに入れてロケットから宇宙へ射出し、皆さんの想いを宇宙へ解き放ちます。

■ミッション②|TENGAの公式キャラクター「TENGAロボ」がロケットに乗り宇宙へ
宇宙仕様の「TENGAロボ」がロケットに搭乗し、宇宙を目指します!宇宙空間到達後、ロケットから宇宙へ飛び出し、地球への帰還を目指します。TENGAロボはミッションを遂行して、無事に地球に戻れるのか!? 打ち上げ当日は、この模様をロケットから中継いたします。みんなでTENGAロボのチャレンジを応援しましょう。

■ミッション③|宇宙用TENGAの開発
データ計測用のTENGAを搭載し、宇宙空間でのTENGAの状態を計測します。このTENGAロケットが宇宙用TENGA開発の第一歩となります。史上初、TENGAが遂に宇宙へ行きます!

引用元:https://camp-fire.jp/projects/view/242583

区切り線

これらのミッション遂行に向け、2021年2月からクラウドファンディングで「TENGA宇宙隊員募集」を開始。TENGAロケットの開発・打ち上げ準備費用の資金調達だけでなく、打ち上げをともに楽しみ、想いや願いを宇宙へ飛ばす仲間を募集したいという思いがあり、その手段に最も適しているのはクラウドファンディングだと考え、実行に踏み切った。

「タブー視されがちな“性”の商品を取り扱う弊社は、これまでもさまざまな壁を越えてきました。これまでどのような思いで事業を進めてきたか、これからどのような目標を掲げて未来を目指していくか、そういった強い意思をみなさんに知ってもらい、少しでもTENGAの活動に目を向けてもらえらたら幸いです」

クラウドファンディング初挑戦のTENGAが込めた「構成」「画像」「リターン」の思いと工夫

TENGAはクラウドファンディング初挑戦でありながら、ほかのプロジェクトページはあまり参考にせずオリジナリティを追求した。山口さんが特にこだわったと話す「構成」「画像」「リターン」それぞれに込められた思いと工夫を紹介していく。

【構成】宇宙を身近に感じ、ワクワクしてもらう

プロジェクトを通して「宇宙を身近に感じてもらいたい」「ワクワクしてもらいたい」という思いをもとにページ全体の構成や文章をつくり上げている。

■宇宙を身近に感じてもらうこと

「これまで宇宙事業や宇宙への取り組みについては、話題にこそなれ、世間的に難解で遠いことのようなイメージがあったのではないでしょうか。そんな宇宙を民間企業であるTENGAが目指すことで、少しでも身近に感じてもらえたらと考えました。そこで、特設サイトやクラウドファンディングの文章も身近に感じてもらえるよう、極力エンタメ性を盛り込んでつくりました」

■ ワクワクしてもらうこと

「このプロジェクトが成功すれば宇宙史の中にTENGA社の名が刻まれます。TENGAロケットプロジェクトに支援いただくことで、その歴史の一部に関われます。そこに面白さやロマンを感じてもらい、一緒に成功させようと思っていただけることが一番だと感じています」

【画像】TOP画像で疑問を持たせる

まずユーザーに興味を持ってもらうため、TOP画像には「本当に打ちあがるのか?」と疑問を持たせる絵づくりを目指した。

「パッと見で“TENGAのロケット”と分かるけど、本当に飛ばせることができるの?と疑問を浮かび上がらせる。期待とともに気になってプロジェクトページに入ってもらえるような画像を意識して作成しています」

【リターン】モノづくりメーカーならではを感じてもらいたい

本プロジェクトには11のリターンを据えている。すべてのリターンに共通して入っているのは「愛と自由の寄せ書き」と「メモリアルプレート」の2つだ。

■ 愛と自由の寄せ書き

「TENGA ROCKET PROJECTミッション①の内容、みなさんの愛と自由に対する想いや願いを集め寄せ書きにして、TENGA型メッセージPODに入れてロケットから宇宙へ射出します」

※写真はイメージです。

■ メモリアルプレート

「TENGA宇宙隊員になっていただいたみなさんのお名前を記した銘板をロケットに搭載して宇宙へ打ち上げます。この取り組みはISTさんがロケット打ち上げの際に毎回行っており、TENGAロケットでも継承させていただきました」

ほかにもTENGA ROCKET PROJECTミッション②にちなんだ「スペースTENGAロボ DXロケットミッションセット」や日本を代表するワークウエアブランド『寅壱』とコラボした「TENGA宇宙隊員エンジニアユニフォーム」にもTENGAの強い思いが込められている。

■ スペースTENGAロボ DXロケットミッションセット

「本プロジェクトでは宇宙空間到達後にペイロードを放出し、さらに地球の海上で回収するという民間では世界初のチャレンジミッションが存在します。そして、その主役となるのが、現在一番人気のリターンでありTENGAオリジナルマスコットキャラクターである“TENGAロボ”になります」

■ TENGA宇宙隊員エンジニアユニフォーム

「寅壱さんとは以前より親交があり、今回特別にユニフォームをつくっていただくことになりました。日本のモノづくりのプロ達がリスペクして止まない日本を代表するワークウェアブランドである寅壱さんとともに、これからの新しいモノづくりの歴史を一緒につくっていきましょうという思いが込められています」

クラウドファンディングは諸刃の剣に成り得る

2月1日から実施した「TENGA宇宙隊員募集」プロジェクトは募集終了まで残すところ13日(2021年4月9日時点)となった。約2ヵ月間プロジェクトを進行して感じた、現時点でのクラウドファンディングのメリット・デメリットを伺った。

【メリット】支援が終了しても役立つ

「ツールとしての使いやすさです。ホームページ制作の知識がなくてもブログのような感覚でつくれるのはとても良い。しかもアーカイブとしてページが残っていくので、プロジェクトが終了した後でも活動を知ってもらえる記録的な要素があるのは素晴らしいですね。

また、わたしたちの意義や価値を理解して賛同して支援してくださった方々は、今後も協力者になってくれるのではないかという期待ができました」

【デメリット】支援が集まらないとリスク

「支援が集まっていれば良い印象、集まっていなければ悪い印象になるので、諸刃の剣だと感じました。多くの人は数の多い場所に集まる傾向がありますよね。クラウドファンディングの場合、少し気になっているプロジェクトに対して、あまり支援が集まっていなければ支援を躊躇し、逆に盛り上がっていれば支援をする。成功しなければイメージが下がってしまうかもしれないリスクはあります」

実際「TENGA ROCKET PROJECT自体に大きな反響はあったものの、クラウドファンディングでの支援は予想以上に振るわなかった」と山口さんは話す。そこには一つの反省点があったという。

「CAMPFIREユーザーからの流入や支援は多いものの、その他多くの導線からの流入がすぐにリターンに繋がるわけではありません。ユーザーのみなさんが思いを乗せたくなる、支援をしたくなるというのは、簡単なことではないと実感しました」

「TENGAロケットで大人も夢を持つキッカケをつくりたい」

反省点を述べる一方、「TENGA ROCKET PROJECTに挑戦できたのは、やはりこれまでTENGAを愛用してきたファンやユーザーの方がいたらからです」とも語る。

残り僅かなクラウドファンディングの期間には「活動報告」を活用し、プロジェクトの価値や思い、TENGAロケットの制作秘話・苦労話を定期的に配信していくという。

最後に支援を考えているユーザーに向けてのメッセージを聞いた。

「TENGAはこれまで、世の中や社会が持つタブー視されがちな“性”への印象を、15年の中で徐々に変化させてきて、今ロケットを打ち上げるところまできました。それはみなさんがTENGAを支持し、取り組みを面白いと注目し、共感してくれたおかげです。

このプロジェクトを通じて、全力で夢に向かって取り組むこと。大人が集まって本気を出して面白いことをやるってカッコいいんだということ。それが、大人だって夢を見ていいんだと思ってもらえるキッカケになって、ほんの少しでもみなさんの夢や希望の種になれたら嬉しいです。何が起きるか分からない時代だからこそ、何を起こすかで世の中がほんの少しだけ元気になったり、幸せな気持ちにすることができたり、みなさんの心がポジティブになってもらえるキッカケになれたら幸いです。本プロジェクトが成功できるよう、みなさんご協力よろしくお願いいたします」

4.5万件のプロジェクト掲載ノウハウを基に作成した「CAMPFIRE」クラウドファンディングマニュアル
「CAMPFIRE」は2011年のサービス開始からこれまで掲載プロジェクト数は45,000件以上と国内最大。クラウドファンディングページ作成時のポイントや、ノウハウなどを濃縮した「CAMPFIRE」オリジナルマニュアルと共にクラウドファンディングに挑戦してみましょう。

阿部 裕華

取材好きなフリーライター/編集者。WEBメディア中心に編集・企画・進行管理(たまに撮影・デザイン)もやります。アニメ・コンテンツビジネス・映画・音楽(主にBUMP)が大好きです。

同じカテゴリーの記事

more

同じタグの一覧

more