「共に価値を生み出す支援を」RAHA KENYAがケニア現地NGOと取り組む”支援”の姿勢

全世界に影響を与えた新型コロナウイルスによって、多くの企業が多大なダメージを受けた。【アフリカアパレルブランド×NGO】ケニアの子どもたちとオリジナル商品を製作!プロジェクトは、開始わずか10時間で目標金額の60万円を達成。今回はプロジェクト起案者の「RAHA KENYA」代表河野リエ氏にプロジェクト起案のきっかけとプロジェクトにかける想いについてお伺いしました。
新型コロナウイルスのダメージを受けたのは企業だけではなく、NPOやNGOなどの社会活動を行う団体の活動資金や活動自体にも大きな損害を引き起こしている。

そんな中、ケニア現地のNGO団体「モヨ・チルドレン・センター(以下:MCC)」と共に活動資金調達のためのクラウドファンディングに挑戦したのがアフリカ布を扱うブランド「RAHA KENYA(ラハケニア)」だ。

【アフリカアパレルブランド×NGO】ケニアの子どもたちとオリジナル商品を製作!プロジェクトは、開始わずか10時間で目標金額の60万円を達成。

200万円のネクストゴールに向けて現在残すところあと4日の時点で185万円を越える支援状況となっている。


今回はプロジェクト起案者の「RAHA KENYA」代表河野リエ氏にプロジェクト起案のきっかけとプロジェクトにかける想いについてお伺いしました。

 

現地で日常を過ごした2年で生まれたケニアへの意識


ーはじめにファッションブランド「RAHA KENYA」についてお伺いしてもよろしいでしょうか。

はい、RAHA KENYAは国際協力や支援が目的で立ち上げたブランドではありません。

日本のお客様が、商品を通して「自信や、一歩踏み出すきっかけが作れたら」そんな想いから立ち上げたブランドです。

私は2年前に結婚がきっかけでケニアに国際移住しました。

もともと私は学校や会社で役割をこなすだけの人間だったんです。

ケニアへの移住に関してもケニアで起業している旦那についていっただけで、「現地に行ったら自分もなにか変わるかな?」くらいの気持ちで。

でも、実際にケニアに住んでから、現地の方からの何気ない質問で聞かれる「なにしにきたの?」に答えられなかったんです。

自分の好きなものとか個性がわからなくって。

それで、結局ケニアにいても引きこもるようになってしまいました。

3ヶ月くらいずっとそういう時間を過ごしていたら、「せっかく日本を離れてケニアまで来たのに何もしないなんて勿体ない」と思い、そこからとにかく思いつきを行動に起こすようになりました。

そんなときに出会ったのがアフリカ布です。


アフリカ布ってどれもすごく個性的で、アフリカの女性は自分が好きだと思った布を自分の好きなように仕立てて自分を表現してるんです。

それで、私もマネして自分が気に入ったアフリカ布を使って自分の服を作ってみたら、思った以上に気持ちが前向きになって。

それまでは「みんなと一緒であること」を大切にしなければいけないと思ってしまっていたんですけど、アフリカ布を着て自分を表現するようになってから、自分から「これいいでしょ?」って言えるようになったんです。

 

ーアフリカ布を通して自分を表現できるようになったんですね。

はい。私自身がまさにそうだったので、なんとなく自分の個性を出す自信がない人にとってのきっかけになれればいいなって思って。

それで、日本の方に向けてアフリカ布のファッションアイテムを販売する「RAHA KENYA」を立ち上げました。

”RAHAは、スワヒリ語で”Be happy”
マークはケニア国旗と、明るい太陽をイメージ。


商品の大事な顔の一部にもなる、ブランドロゴにもこだわりました。


色鮮やかなアフリカ布や、カラフルカラーの商品にも馴染むシンプルさ。
インパクトがありながらもスタイリッシュな印象を。


MADE IN KENYAの風が、届きますように。”


出典:RAHA KENYA公式サイト

 

ー国際協力や支援が目的で立ち上げたブランドではないというお話でしたが、今回のNGO連携プロジェクトについての経緯もお伺いしてもよろしいでしょうか。

はい。RAHA KENYAは私が現地で得た原体験から、日本にアフリカ布を使ったファッションの素晴らしさを届けたいと思ったことがきっかけで立ち上げたビジネスです。

ただ、それとは別に現地で2年間生活する中で、現地の問題を目の当たりにする機会が本当に多かったんです。

日常的に物乞いをする子供、空腹をまぎらわすためにシンナーを吸う子供、虐待などで家に居場所がない子供を目にしてきました。

RAHA KENYAの活動をする中でずっともやもやしていた部分があったのですが、そこで出会ったのが現地で子供の支援をするMCCの松下照美さんです。


出典:MCC公式サイト

ーモヨ・チルドレン・センターはどのような活動をされているのでしょうか。

主に、家に居場所がなく路上で生活するようになった子供ための施設の運営などを行っています。

代表の松下照美さんは現地で20年以上活動されている74歳の女性です。

若くして旦那さんを失くして人生の路頭に迷っていたときに友人に誘われたのがきっかけでケニアにいらっしゃって。

ストリートチルドレンの現状を目の当たりにして「居場所を失った子どもたちに寄り添い続ける」という理念の元に現地で活動をされています。

松下照美さんから現地での活動のお話を聞いていて、自分もなにか力になりたいと思うようになり、それが新たな活力にもなりました。

そして思いついたのが、MCCにいる子供たちの塗り絵を商品としてデザインしてもらうことだったんです。

 

一方的な支援ではなく、共に価値を生み出す支援を。


ープロジェクトの本文にて「与えるだけ、差し上げるだけ支援は好きではありません。」という文面がありました。今回のプロジェクトにおいて意識されていることについてもお伺いできますか。

はい。まさにプロジェクトの文面通りで、人は「何かをもらう対価」として、お金を払っており、その「何か」がない支援は人の心を動かすことはできないし、根本的な解決にはならないと思っています。

今回のプロジェクトにおいて、頂いた支援のお金はRAHA KENYAとMCCの活動資金にあてさせて頂く予定です。

でもこのプロジェクトはRAHA KENYAからMCCへの一方的な支援ではなく連携であること、そして支援者の方にも、想いの込もった素敵な商品を対価としてお届けすることを大切にしています。

現地でただお金を配ることももちろんできるかもしれませんが、本当の支援には繋がらないと思うんです。

なので、MCCの子供たちに書いてもらった絵をRAHA KENYAブランドの商品として販売し、MCCの活動資金にあてることで、支援者にも寄付ではなく「欲しい」と思ってもらえるような魅力的な商品を価値として届けられるようなプロジェクトにしたいと思いました。

実際に子供たちに描いてもらった塗り絵はどれもカラフルで可愛く、個性的なものばかりです。

ケニアの子どもたちの色彩感覚って、本当に素晴らしいのです。

■デザイン Vol.1 〔Jiamini / 自信〕

■デザイン Vol.2 〔Twiga / キリン〕


■デザイン Vol.3 〔Duma / チーター〕

これらの塗り絵をRAHA KENYAブランドの商品としてリターンをお贈りさせて頂きます。

 

このプロジェクトをNGO活動資金調達の新たな選択肢に。


ーこのプロジェクトをご覧になっている方にお伝えしたいことはありますか?

RAHA KENYAは新型コロナウイルスの影響によって3月で全ての活動を一旦ストップして日本に帰国しています。

そしてNGOの活動を支えるお金はほとんどが講演会での支援によるものなのですが、今回の新型コロナウイルスの影響で松下照美さんの日本での講演も全て行えなくなってしまいました。

しかし、今回のプロジェクトをきっかけに、これまでの支援の形と合わせて、現地の方と共に生み出した価値に対して頂く支援の形を得ることで更にケニアの現地NGOの活動が拡大できるのではないかと思っております。

今回、支援者の方には「かわいそう」「助けたい」といった感覚で支援して頂くよりも「楽しそう」と共感して頂けるようなプロジェクトとして起案致しました。

寄付としての支援ではなく、「一緒に参加したい」「このリターンがほしい」と思ってもらえるような支援を。

RAHA KENYAとNGOの連携プロジェクトを通して、かつての私がアフリカ布で自信を持つことができたように、支援者の方が胸を張って「これいいでしょ?」と言えるようなリターンをお届けしたいと思っています。

ーありがとうございました。引き続き応援しています!