実施事例

人気キャラクター二度目のクラウドファンディングは産みの苦しみがあった?実施の裏側と今後の展望 – 「なめこ」プロジェクト後編

根強い人気を誇るキャラクター「なめこ」。スマホゲームアプリ『なめこ栽培キット』シリーズのキャラクターで、4コマ漫画、歌、アニメなど、ゲーム以外のさまざまなコンテンツを展開している。2019年3月にCAMPFIREで実施したクラウドファンディングは、目標金額の300万円を優に超え、資金総額1,200万円以上、目標達成率410%にものぼった。(詳細は前編参照)

そして、2019年9月には二度目のクラウドファンディングを実施。一度目同様に、目標金額の300万円を大幅に達成。最終的には、1,100万円を超える支援を得た。順風満帆に思える取り組みだが、実は二度目のクラウドファンディングには想像以上の苦労があったそうだ。

後編となる本記事では、第二弾のクラウドファンディング実施の裏側から今後のクラウドファンディング活用の展望まで。前編同様、株式会社ビーワークスのクラウドファンディングプロジェクトリーダーである伴雄斗さんと、なめこのマーケティングディレクターである淵上益世さんに話を伺った。

プロジェクトデータ
  • プロジェクト名
    リアルなめこ 初めてのグッズ化プロジェクト
  • プロジェクト目的
    「リアルなめこ」の認知拡大
  • 募集期間
    2019年9月13日~10月14日
  • 調達金額
    11,688,634円

二度目のクラウドファンディング。目的は「リアルなめこ」の認知拡大

「なめこ」のクラウドファンディング第二弾となったプロジェクトは、『リアルなめこ 初めてのグッズ化プロジェクト』だ。

「なめこ」のリアルなめこ初めてのグッズ化プロジェクト

これまで、二次元のキャラクターであった「なめこ」が現実世界(リアル)に飛び出してきたことから「リアルなめこ」の愛称で親しまれている。公式サイト「なめこぱらだいす」の企画で動画へ出演したり、イベントへ出演したりとさまざまな活動を行っていた。中でも、東京駅構内にあったオフィシャルショップ「なめこ市場」へ足を運び、「なめこ」の啓蒙活動へ貢献していたのだ。

ところが、「なめこ市場」は2019年7月にあえなく閉店。リアルなめこに会える機会が減ってしまった。また、機会が減少することで、啓蒙活動をする場も制限されてしまう。そこで、考えたのが「リアルなめこ」がもっと活躍できる場、身近に感じてもらう仕組みをつくることだった。

伴:ファンの方とリアルなめこに触れる機会を増やすべく、今後はより動画コンテンツをつくっていきたいと思っていました。動画への露出が増えることで、既存ユーザーだけでなく、新規のユーザーの獲得も見込めると考えていました。

ただ、これまでリアルなめこにフィーチャーした商品がなかったんです。そこで、まずは改めて魅力を発信していきたい。そして、リアルなめこの今後の方向性を伝え、既存ユーザーの皆さんに応援してもらいたいと思い、プロジェクトを企画しました

既存の「リアルなめこ」というキャラクターをリブランディングするために、クラウドファンディングを活用。魅力を再発信するために、「リアルなめこ」のグッズ化プロジェクトを2019年9月に開始した。

第一弾のプロジェクト『なめこ4コマ「なめよん」単行本未収録エピソード 書籍化プロジェクト』を参考に、PR手法、ページ作成、リターン設計などを作り込んでいったという。前回と違うポイントを伺ったところ、「動画コンテンツを作成した」と淵上さんが語ってくれた。

淵上:第一弾が上手くいったので、プロジェクト進行の大枠は変えていません。ただ、リアルなめこは今後の展開として動画を意識していたこともあり、今クラウドファンディングを実施中だという動画をアップしました。これまでのファンの方だけでなく、動画を見て『可愛い!』と興味を持ってくれるかもしれないと

プロジェクト公開後、わずか1時間で目標金額の300万円を達成。プロジェクト公開期限の10月までには、支援総額11,688,634円、目標達成率は389%を記録した。

二度目のプロジェクトは苦難の連続

一度目ならず二度目も目標を大幅に達成したプロジェクト。一見とんとん拍子に上手くいっているように思えるが、実は一度目と比較して二度目はかなり苦労したというのだ。どんな点に苦労したのか、赤裸々に語ってもらった。

企画を産む苦しみ

どんなプロジェクトを進めるか決めていない状態で、二度目のクラウドファンディングの実施が決まっていたという。一回目のクラウドファンディングが成功したため、2019年度の目標に二度目のクラウドファンディング実施を組み込んだのだ。

これには淵上さんも驚いたようで、「え?となりました」と苦笑いを浮かべた。

淵上:最初のクラウドファンディングは目的が決まっていたけど、二度目は何も目的がなかった。なので、まずはクラウドファンディングを実施する目的を決めなければなりませんでした。目的を考えることが想像以上に難航したんです

二度目の目的を考えるタイミングで、オフィシャルショップ「なめこ市場」の閉店が決まっていたため、まずはグッズ販売を目的にクラウドファンディングの活用を考えた。実際に、一度企画を立て、社内のメンバーに確認を取るまで進めたそうだ。しかし、「グッズ販売のためにクラウドファンディングをやることに引っ掛かりを感じた」と二人は語る。

「なめこ」クラウドファンディング プロジェクト担当者

伴:クラウドファンディングは叶えたい夢、目標を応援してもらうために支援を受ける。物を買うためにお金を出してもらうツールではないと思っていました。なので、一度考えた企画を白紙に戻して、本当に応援してもらいたいこと、これから叶えたいことを改めて考えました

淵上:“閉店したからグッズを売るのにクラウドファンディングを利用する”って、過去を振り返っているように思えて。そうでなく、未来に繋がるようなプロジェクトにしたかった。そこで、それまであまり注目されていなかったリアルなめこの未来に繋がるようなプロジェクトにしたんです

少し遠回りをしたものの、一度クラウドファンディング実施の目的に立ち返ったことで、一気にプロジェクトがまとまっていったと話してくれた。

リターンを産む苦しみ

悩み抜いたプロジェクトが無事に決まったことで、そこからは速やかに準備が進んでいったのかと思いきや……リターンを決めるのにもかなり紆余曲折あったそうだ。
というのも、一度目のクラウドファンディングでは、『なめよん』単行本という明確なリターンが決まっていた。ところが、二度目のクラウドファンディングは「リアルなめこ」のグッズ、としか決まっていなかった。「支援者のことを考えれば考えるほど、どんなリターンを設定すべきか悩んだ」と伴さんは述べた。

伴:グッズとなると、かなり大量に発注しない限り、単価が下がらないんです。例えば、当初考えていたキーチェーンやアクリルキーホルダーは1個2,000円くらい。商業的に販売すれば600円程度で買えるものに2,000円も払うのは支援者に納得してもらいづらい。しかも、送料もかかります。
結果的にはTシャツ、カレンダー、ぬいぐるみをメインのリターンにすることで落ち着いたんですけど…ぬいぐるみも一般的な値段からすると高額なので、『これにこの金額?』と思われる可能性がぬぐい切れず、正直不安ではありました

「なめこ」第2段のクラウドファンディングリターン表

不安を抱えながらもリターンを設定。セット販売の形を取り、支援額によってグッズの点数が変わるようにした。結果的に、高額かつ数量限定のグッズセットは完売。しかし、ビーワークス側も支援者側も損をしないリターンを設定するのには、かなりの苦悩が窺(うかが)えた。

「タイミングを窺(うかが)いつつ、三度目を検討したい」

二度目のクラウドファンディングを振り返り、「初めての試みだった一度目は会社的に大変だったけど、プロジェクトを実施する僕ら側は二度目の方が大変だった」という一方、「結果的には実施して良かった」とも語ってくれた。

淵上:一度目は初めてということで盛り上がる。なので、二度目は一度目より難しいだろうと前提のもと進んでいました。それもあって、慎重にならざるを得なかったんです。結果的には、支援者の皆さんのなめこに対する熱い気持ちを再認識できて、やってよかったと思っています

伴:なめこファンの方で寂しい思いをしている方も多くいらっしゃったんです。最近では『まだ、なめこのゲームやってたの?』と言われることも多かったようで。ところが、二度のクラウドファンディングしたことで累計4,000人程の方が支援してくださった。『自分以外にもなめこファンがこんなにいるんだ!』と目に見えて分かったと思います。ファンの皆さんにとっても重要な取り組みだったと思います

「なめこ」クラウドファンディング担当者 伴さん

二度のクラウドファンディングを成功に収めた、ビーワークス。三度目のクラウドファンディング実施の可能性はあるのだろうか?この質問に「タイミングを見て取り組んでいきたい」と前向きな姿勢を見せてくれた。

伴:やりたいネタはあります。ただ、タイミングが大事だと思っています。支援してくださる人がいてクラウドファンディングができる。にもかかわらず、支援してくれる方がついてこれないような短いスパンで実施するのは本望ではありません。然るべきタイミングでやりたいですし、何よりそもそもクラウドファンディングでやるべきことなのか、一回一回立ち止まって考えたいと思います

淵上:キャラクターの商品は、生活をより豊かにするものかもしれませんが、日常生活に役立つものではありません。思わぬ出費になってしまう場合もあります。特にクラウドファンディングは応援する気持ちをお金で支援することもあって、どうしても金額的に見合わない部分が出てきてしまう。支援してくださる皆さんのことを考えながら、プロジェクトを進めていきたいですね

キャラクターの未来とファンの喜びを考える

最後に、キャラクター商品化を目的にクラウドファンディング活用を考えている企業や人へアドバイスをもらった。

淵上:クラウドファンディングは、キャラクターの版権(IP)を持っている事業者にとって、在庫や流通のリスクが排除された状態で本当にやりたいことが実現できる場です。また、クラウドファンディングが成功すればプロモーションとしても活用できます。
一方で、ブランド毀損のリスクは伴います。目標達成しなかったとき、ロイヤルユーザーである支援してくれた人たちががっかりします
そういったリスクを見込むこと、また支援者の皆さんへメリットを提供すること。これらを忘れずに、クラウドファンディングの活用をオススメします

伴:一回プロジェクトを始めてしまうと、後戻りができません。目標金額を変えることができないからです。なので、“とりあえず”でクラウドファンディングを始めるのはやめましょう。『本当にクラウドファンディングを活用すべきか』をよく考えて始めましょう
沢山お金を集めることが必ずしも目標ではないと思います。集めたお金の中でキャラクターがどんな良い未来を目指せるか、一番応援してくれる人が喜んでくれる価値を提供できるか、それらを考えて進めてみてください

「なめこ」クラウドファンディング 担当者 伴さん 淵上さん

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